効率的なITシステムによる情報共有と業務改善

弊社は、徳島県に本社がある創業6年目のベンチャー企業です。小さなタクシー会社を運営していた代表の近藤は、ITを利用して業績を回復させた経験がありました。このアプローチを全国のタクシー会社に活用すれば、同じような悩みを解決できるのではないか、との着想から、弊社を立ち上げました。タクシー配車システムの開発・販売及び配車業務受託運営サービスを行う会社として成長しています。

【課題】情報共有の精度に課題があった

都会ではタクシーを電話で呼ばなくても、大きな通りに出れば見つけることができます。加えて、海外の配車サービスであるUBER等のアプリが普及したことで、都会では、配車アプリを利用する、通りでタクシーを捕まえる、という感覚が当たり前になっています。
しかし、地方ではタクシーは電話で呼ぶのが今でも一般的な利用方法で、お客様からの電話をオペレーターがお受けし、そこから無線などでタクシーに指示を出すというアナログな方法で行われています。弊社の配車業務代行サービスでは、コールセンター等での対応が増えるにつれ、24時間365日シフト制で誰かが働いている状態ですので、スタッフ間の情報伝達や、必要な資料や共有事項の情報がどこにあるかなど、情報共有における課題がありました。

【導入】オールラウンドにITツールを導入

それら社内情報共有の問題を解決するために、色々なツールを試したうえで、チャットツールやドキュメント共有ツールを利用することになりました。またこれに限らず、業務効率化が期待できるITツールなども導入していきました。社内コミュニケーション・スケジュールツールとしては、「Outlook」、「Teams」、「Office365」、「SharePoint」などを導入しました。また、経費精算、勤怠管理、採用等についてもそれぞれITツールを導入し、日々アクティブに活用しています。どのツールについても、これまでのサービス提供の経験を活かし、スムーズな導入が図れたと感じています。

【効果】業務を脱属人化、社員全体を巻き込んだIT化

まず第一に、業務が専門化・属人化しないことが大きな効果といえるでしょう。少人数で業務をまわさないといけないとなると、特定の人に情報やノウハウ等が集中してしまいがちです。つまり、その人に聞かないと業務ができない状態になってしまいます。しかしツールに情報を集めることで、情報が共有され、業務の属人化を防ぐことができるようになりました。
また人材募集に関しても効果がありました。ITツールを活用したことで、1ヶ月で200人ほどの候補者を紹介して頂き、今後の事業において重要な人材が3ヶ月で3~4人採用できたことも大きな効果です。
ITツールは現在数多く存在しているため、例えばコミュニケーションツール1つをとっても、様々なツールが存在しています。ツールを導入する目的を重視し、どれが使いやすいなどという個人の好みの問題に焦点を合わせるのではないようにしています。また、弊社のスタッフは「まずは導入されたものを素直に使う・活用してみる」という人物が多いのですが、その点もIT導入の効果をより大きくしたと考えています。

【展望】自社の成功体験を他社にコンサルティング展開

今後の展望としては、自社だけではなく、タクシー業界内の他社に対してもITを活用して事業を効率化するコンサルティング事業を展開したいと考えています。そのためには、業界で自社が最もITを活用できていること、そしてその効果を人に伝えられる形で把握しなければいけないと考えています。
新たにITツールを導入する際には、あらためて既存のツールが本当に必要かどうかを省察する必要もあります。つまり、IT導入によって企業成長を実現するには、常にPDCAをまわして考える必要があるといえるでしょう。私たちはまだ従業員数100人前後の企業ですし、決してITに強い人材が揃っているわけではありませんが、そんな私たちのような企業こそIＴを導入して業務効率を改善し続ける必要があると思います。
タクシー業界は高齢化が進み、あまり最新のITツールを駆使するという文化もありませんが、業務効率を改善したいというニーズはとても強く存在しています。
私たち自身がIT活用をしながら、タクシー業界全体がITをうまく活用する未来になるよう、引き続きサポートしていきたいと考えております。