弊社は創業以来40年間、英語教育に誠実に取り組んでまいりました。創業者である私が、以前は英語があまり得意ではなく、どうして学生時代に努力したのに話せないのだろう、と考えたことから現在の事業をスタートしました。英語の読み書きや会話の能力を育むことはもちろんですが、バックグラウンドが異なる人々とも、その違いを楽しみながらコミュニケーションを図ることができる「真のグローバル人材」の育成をミッションとして掲げています。事業としては英会話学校の運営、英語教育の推進を目的とした幼稚園から大学を対象としたALTの派遣、グローバルマインドの醸成や英語の研修をはじめとした企業のグローバル化支援の3つを柱としています。それぞれの事業ではターゲットとなる年齢層が異なっていますが、40年間の積み重ねによって、各年齢に合わせたアプローチが可能であることが1つの強みです。お客様からは「英語を使うことへの抵抗感がなくなった」とお喜びの声をいただいています。
【課題】優秀な人材がライフイベントに縛られず働けるようにする必要があった
弊社では従業員が130名ほどおり、そのほとんどが女性です。女性が多いことから結婚、出産、ご主人の転勤、介護など、様々なライフイベントによって仕事を継続できなくなってしまうことも少なくありませんでした。そのため優秀な人材が流出してしまうことが、弊社にとって大きな問題でした。この問題を解決するために、弊社ではテレワークを導入することを決定し、取り組みを進めました。テレワークを実践するためには、これまで紙ベースで管理していた資料を、いつでもどこでも確認できるようにする必要がありました。これらの資料をデータ化し、社員が自宅でも問題なく業務を行うことができるよう、環境を整えていきました。
【導入】親しみやすさと互換性の高さからシステム導入を決定
クラウド上でデータを管理することができれば、情報共有が簡単になるほか、いつどこにいても仕事に取り組むことができます。そのような環境を目指し、クラウドサービスである「Microsoft365」を導入することに決めました。当時、クラウドを利用したデータ管理のシステムは他にも多くありました。しかし、これまでWordやExcelといったMicrosoftのソフトを利用していたこともあり、社員にとっても馴染みやすいのではないかということからこちらのサービスを導入しました。また、ALTを派遣する各学校や企業でもWordやExcelを利用していることが多くあり、互換性の観点からも、「Microsoft365」は他のサービスより使い勝手の良いものだと感じていました。
導入後はすぐには使いこなせない社員もいましたが、テレワーク下では隣に相談できる社員がいるわけではありません。自分自身で操作方法などを学んでいく必要があり、結果的に社員のITリテラシーを高めるための良い機会になったのではないかと考えています。
【効果】自由な働き方で社員の定着率が向上した
大きな効果としては、どこでも仕事ができるようになったことです。結婚や出産、配偶者の転勤などのライフイベントの変化があっても、遠隔地にある各社員の自宅で働くことができるようになりました。このことによって弊社社員の定着率が向上し、優秀な人材が残るようになったと感じています。テレワークでは、アプリの使い方などについて自力で対処しなければならない場面もあり、ITリテラシーが高まったとともに、さまざまな問題への対応力が向上したと感じています。加えて業務の効率化も実現しました。紙ベースの資料を準備して会議をしたり、会議の参加者一人ひとりに対してスケジュールの確認を行うなど、煩雑になりがちだった業務が、クラウド上で情報共有を行ったことで簡単にこなせるようになりました。
これらの効果によって新たに生まれた時間を利用して、セミナーに出席するなどして勉強をすることで、新しい商品を作ることに取り組めていることも大きな成果です。現在ではITに関する商品開発も行なっており、このことはこれまでの弊社では考えられなかったことだと感じています。
【展望】IT活用を通して日本のグローバル化を進める
教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語である、エドテック(EdTech)というものがあります。これは世の中にあるテクノロジーを利用して、教育業界にイノベーションを起こすビジネス領域として、現在世界中で注目を集めています。今回「Microsoft365」の導入を行ったことで、弊社では社員のITリテラシーが高まりました。これを契機に、今後、子どもたちそれぞれの個性に合わせた多様な学びの実現のためにエドテック分野での発展を目指していきたいと考えています。加えて企業を対象としたグローバル化支援の場でも、全国の企業を対象としたオンライン授業を行うことも考えています。
ITを利用することは、会社の発展と日本のグローバル化に必ず役立つと思います。今後も今回の知見を活かしながら、IT活用の方法を考え続けていきたいです。
社名: 株式会社エー・トゥ・ゼット
HP:https://atoz-ed.com/aboutus/
主な事業:英会話学校の運営、ALTの派遣事業、企業への英語指導、他
所在地:長野県松本市高宮中1-35
創業:1981年