弊社は、代表の稲場真由美が16年間のべ12万人の統計データで体系化した「性格統計学」をもとに、職場や家庭における人間関係の悩みを解決するサービスや商品を提供しています。性格統計学は、人の性格を2軸で4タイプに分けることで、自分と違うタイプの人とどのようにコミュニケーションを取れば良いのかを明らかにするメソッドです。法人顧客には、性格診断機能とEラーニング機能を搭載した自社開発のコミュニケーション支援アプリ「伝え方ラボ」と研修を組み合わせて販売し、研修効果の持続を実現しています。上司と部下、または職場全体で相手に合った具体的な伝え方と受けとめ方が分かるため、職場の組織活性やチームの円滑なコミュニケーション、売上アップに貢献できます。また、性格統計学は、親子や夫婦関係の改善にも大変効果があるため、個人顧客の8割が子育て世代をはじめとする女性です。資格取得に必要な知識や技術は全てオンラインで習得できるため、自身の悩み解決をきっかけに、コンサルタントの認定資格を取得し「伝え方の先生」として在宅起業する人もいます。資格取得した人は、弊社とパートナーシップ(業務委託契約)を結び、対人関係アドバイスの有料サービスとアプリや検定講座の販売でビジネス活動ができます。
【課題】人材や場所の確保に限界を感じていた
今後AI・ロボットが普及していく時代ではありますが、人が人に対して行う仕事はなくならないと考えています。中でもコミュニケーションや人間関係解決できる商品・サービスは、今後ニーズが高まると確信していました。「悩みの9割は人間関係」といわれるように、どんなにIT化して便利になったとしても、コミュニケーションがうまく取れないなどの悩みを抱えている方は多く、やはり人の問題は人にしか解決できない部分も多いと考えたからです。実際に多くの職場では人それぞれ性格の違いがあることを理解せずにコミュニケーションをとり、連携ミスや早期離職、パワハラ問題などが起こったりしています。
このように弊社の事業を必要とする方々が多くいらっしゃる一方で、対面式での支援や営業、研修は、どうしても狭い地域でしか行えません。これまで弊社は人にフォーカスした事業により成長してきましたが、事業規模が拡大し、全国の方々をお客様に見据えたことを受けて、ITクラウドに投資することを決めました。どこからでもアクセスできる顧客管理システムと、集客力のある営業マーケティングシステムを構築、そしてリモートでも通用する研修パッケージをつくれば、全国どこにいても働けるテレワーク環境と全国展開のビジネスは可能だと考えたのです。
このことは、弊社が抱えていた採用に関する問題を解決するためにも役立ちました。東京など人口が多い大都市と比較して、そもそも働き手の少ない地方の人材採用には限界があります。優秀な人材がいても弊社オフィスのある富山県からは遠い場所に住んでいるため採用できず、歯がゆい思いをすることも多くあったのです。
【導入】販売の自動化を目的にITシステムを導入
弊社の業務と商品サービスの特徴を改めて整理し、「Salesforce」を軸に3つのITシステムの導入を決めました。1つ目は、顧客管理と複数の業務アプリを連携した社内の一部業務を一元化・自動化できるシステムです。2つ目は、動画セミナーを商品パッケージ化し、自社ウェブサイトから顧客管理、MA、ECサイトという流れで連携販売するシステムです。これは集客・販売業務を一元化・自動化することを目的としています。3つ目は講師やコンサルタントのポータルサイトと顧客管理システムを連携させて、セミナーの受付やコンサルティングの受付を自動化するシステムの導入です。これらを「Salesforce」によって一元管理できるよう体制を整えました。
さらに情報発信と集客力強化を目的に、YouTubeチャンネルを開設し、Facebookを連動してライブ発信を行い、情報発信・集客もクラウド連携できるようになりました。
【効果】場所を問わず、どこにいても仕事ができる
導入した各種クラウドシステムから得られた効果は数多くあります。まずは、現在弊社の事業の柱となっている法人向け研修及びコンサルティング事業について効率化を実現し、すべての業務をリモートで完結できるようになりました。リモートならではの課題をリモート指導によって解決できることで、実際に起きている問題に当事者の視点を取り入れることができ、より具体的なアドバイスが可能になっていると感じます。
次に、社員研修はオンライン研修とアプリの併用によって、研修効果が持続し、社内コミュニケーションの円滑化による業績アップや社員エンゲージメントの向上に貢献し、アプリの更新・継続契約もいただけるようになりました。契約書についても、事前にお互いが内容について合意を得ている書類をアップロードし、相手方の同意を得ることで相互同意がなされたことを示す電子署名サービス「クラウドサイン」は双方にとって効率的でとても好評です。
人材面では、テレワークやリモートによる環境が整ったことで、優秀な人材を採用しやすくなりました。例えば遠方に住んでいたとしても、「Salesforce」などのシステム操作を得意とする人材や、マーケティングやSNSが得意な人材、ライティングスキルの高い人材など、多様な人材とともに働ける環境が実現できています。まさに、当社の働き方改革に好影響を与えてくれたと実感しています。
【展望】ITの導入でスタッフがより長く続けられる仕事環境を実現したい
現代は「人生100年時代」で、関わる人たちが長く仕事を続けられる事業基盤づくりがとても重要だと考えています。どんなにIT化が進み、世の中が便利になってもコミュニケーションなど、人の問題は人の助けがあることで解決できる場合が数多くあります。株式会社ジェイ・バンの商品やサービスは、このような問題を解決する上でお役に立てると自負しており、これからも人の幸せに貢献できる企業でありたいと考えます。
この目標を実現するためにも、想いを共にできるチーム創りと人材育成に力を注ぐため、構築したクラウドシステムを最大限に活かして事業を展開し、人の課題を抱える企業に貢献できる会社になることを目指します。
どんなに世の中のIT化が進んでもまだまだITに対して苦手意識をもつ中小企業は多いと思います。ITと聞くと難しいイメージがあり、どのように導入すればよいのか、きちんと使いこなせるのか、と悩む経営者も多いのではないかと考えます。私自身アナログで、最初の4か月は導入したシステムを使いこなせませんでした。けれども「どうしても解決したい業務」をIT化するための取組がきっかけで、IT・クラウドの可能性を実感しました。ITを導入することで、働く環境がより良くできる大きなメリットがあるので、ぜひたくさんの中小企業に取り入れて欲しいと思っています。
社名:株式会社ジェイ・バン
HP:http://www.j-ban.com/
主な事業:企業・個人が抱える人間関係の課題解決に貢献するソリューション企業
所在地:富山県富山市粟島町1丁目19-5
創業:1999年1月