IT導入で属人化していた体制をひとつに

弊社は、公共土木に関わる測量・設計を主に行うコンサルティング会社です。大手企業の協力会社としても実績を積みながら、小規模ながらも地元の取引先を中心にご愛顧いただいております。強みはお客様の要望に迅速に応える対応力です。「今日困ったことは、今日のうちに解決したい」ということが現場ではしばしば起こります。測量・設計に携わって15年から20年というキャリアを持つベテラン技術者も、多数活躍しています。だからこそ、これまで培ってきたノウハウや知識を駆使し、お客様をお待たせすることなく、柔軟に対応することが可能です。

【課題】システム担当者が1人のみ、トラブル対応もアップデートも追いつかなかった

これまで、業務が属人的になってしまっている部分があり、以前から問題視をしていました。測量・設計業務にはパソコンが必須ですが、社内のシステム担当が1人しかおらず、他の業務も兼務していたため、トラブルが起こったときに迅速な対処を行うことが困難でした。加えて、整備やアップデートの速度も追いつかず、OSがWindows7のままになっている端末が半分以上を占めていたり、設計に欠かせないソフトウェア「AutoCAD」を旧バージョンのまま使用していたりするなど、数々の課題を抱えていました。さらに、コロナ禍に突入してリモート会議が常識となりつつある中で、今後に備えて対応しうる環境を構築したいと考えていました。

【導入】専門企業ならではのアドバイスによってスムーズな入れ替えを実現

弊社は測量設計業協会に所属しており、その賛助会員である富士ゼロックス様とコンタクトをとる機会がありました。その際、IT導入補助金の活用法に関する説明会があることをご紹介いただき、申し込んだことがきっかけとなりました。説明会で話を聞いてみると、弊社が抱える課題が低費用で解決できると感じ、そのまま富士ゼロックス様に支援していただくことに決めました。弊社のシステムの構造を理解し、課題を抱えている部分を見極め、専門的な視点からのアドバイスをくださったので、非常に有益であったと感じています。測量業界でしか使用しないソフトウェアの中には、Windows7でしか動かせないものもあるため、一部の端末は変更せずに残すことになりました。
結果として、OSをWindows10に更新し、最新版の「AutoCAD LT」を導入したことに加え、端末自体の入れ替えも必要となりました。大がかりな作業ではあったものの、業務に支障が出ないかたちでスケジュールを組み、入れ替えを行ってくださいました。こうして一通りの入れ替え作業を2020年11月に完了しました。

【効果】ITのエキスパートと二人三脚で

OS、ソフトウェア、端末が最新版になったことで、業務を行いやすくなったという効果もありますが、1番強く感じているのは「安心感」です。以前はOSやソフトウェアを旧バージョンのままで使用していたことで、いつトラブルが起こるかわからない不安感があったうえに、システム担当者がすぐに対応できずに業務がストップしてしまう危険性が常にありました。しかし、今回の富士ゼロックス様の支援は、導入が終わったあとも継続して受けられるので、システム関連業務をアウトソーシングしているかのような感覚で、困りごとがあればご連絡し、迅速に対応してもらえるのです。弊社のシステム全体を把握してくださっているので、非常に頼りになります。最近では、新たにドローンによる測量を始めるにあたって、今まで以上にハイスペックなパソコンを導入した際、設置に手間取っていたところ、担当の方がすぐに駆け付けて解決してくださいました。こうした安心感があるからこそ、新たな事業や取り組みにも積極的に踏み出せるのだと感じます。

【展望】ノウハウや知識をシェアし、会社そのものの力を底上げする

今後はリモート勤務が可能な体制を整えようと考えています。コロナ禍ということや、自宅と職場が遠くて通勤時間が長い従業員がいることも考慮し、外部から会社のサーバーにアクセスし、仕事ができるようにしていきたいです。また、業務が属人的になっている部分があるというのはシステム関係だけに限らず、会社全体に言えることでもあります。測量・設計の業界で働く技術者は職人のような一面を持っており、会社組織に所属していても、それぞれが個人事業主のような働き方をしがちです。それゆえに、ノウハウや知識が会社の中で共通のものになりにくいというのが現状です。個人個人が持っている技術や知識を可視化して共有サーバー上に保管し、会社の財産の1つとして継承していけたらと思っています。そうして会社そのものの力を底上げし、発展していくことを目指します。