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基幹システムをリモートアクセス可能にしたことでコストやタイムロスを大幅削減

  • 2021年01月15日
  • フジイ印刷株式会社
  • 製造業
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  • 業務アプリ作成
  • その他
  • 中国
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フジイ印刷株式会社は商業用の印刷物を主に取り扱う会社です。縮小傾向にある印刷業界で今後も経営を継続させるために、総合業務システムを構築しました。

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代表取締役:藤井聡さん

弊社は封筒や伝票、名刺、挨拶状など、会社の業務で使用する印刷物を中心に製造しています。従業員数10人、社員数12人の小さな会社ですが、デザインから製本などの仕上げまで社内で完結できるため、少ないロットでも比較的安価で請け負うことが可能です。1949年の創業から70年ほど経過した今、世の中のデジタル化はますます進み、印刷物の需要は減ってきています。昔は1万部というような大量ロットの注文が多くありましたが、近年は小ロットの需要のほうが高まってきました。そんな時代の変化に対応していくために、デジタル技術も取り入れながら、お客様にご満足いただけるようなサービスを提供しております。

【課題】「市場規模縮小をいかにして乗り越えるか」が会社の命運を握る印刷業界

ペーパーレス化が進んでいる現代において印刷業界は縮小傾向にあり、売上が下がることを前提として経営方針を打ち立てている会社がほとんどです。しかし弊社では収益構造の改善を行い、売上が減少したとしても、利益率の高い仕事に取り組むことで、同じ利益でも残業が少なく、創造的な仕事を行うための時間を確保することを目標としています。弊社ではもともと基幹業務を一括管理するパッケージソフトを使用していました。しかし2015年にサーバー自体のリース期限が切れ、更新するには200万円以上の費用が掛かることが判明しました。そこで、より安価に導入できる製品やサービスを検討することにしました。加えて、日々の業務効率化も図れれば一石二鳥だと考えていました。

【導入】システム選びと少しの工夫で導入コストのカットを実現

販売・生産・仕入れに加えて勤怠の総合管理を「FileMaker」というデータベースアプリで一括管理することに決めました。導入コストが安価であるうえに、タブレット端末に標準で対応しているため、場所を問わずにアクセスできる点も決め手となりました。導入にあたっては、弊社仕様にカスタマイズする必要があったため、知り合いから紹介していただいた開発者に依頼しました。また、データベースの設計とリレーションシップ、スクリプト開発については依頼し、レイアウトと呼ばれる画面設計は自社で行うことで、開発コストも最小限に抑えることができました。導入前よりも作業効率が上がらないと意味がないため、それぞれの機能について自動化する部分と人の手で行う部分の線引きに苦労しながらも、開発者と二人三脚で構築していきました。こうして開発に半年と、その後の半年を合わせた約1年間の月日を掛け、基幹業務すべての移行を完了させました。これらのシステムを導入したのと同時に、会計に関しては、導入コストがかからない「A-SaaS」というクラウドシステムを連帯導入しました。また、2年前には「クラウドPBX」という通話サービスに加入し、固定電話のクラウド化も行っています。

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【効果】あらゆる制約から解放されるクラウド化の利便性を実感

基幹システムを自社開発にしたことで、パッケージソフトのライセンス費用が不要となり、システム運用費用が以前の5分の1程度まで抑えられているのは大きな効果です。
また、時間短縮にかなりの効果がありました。弊社の主要営業先は、会社から車で片道20~60分ほどの場所に位置しています。以前は外回り終了後に、1度会社へ戻ってパソコンで起票する必要があったため、通勤を含めると1日2往復しており、営業先と自宅が近い私などは、合計で4時間以上を移動に費やすことも多々ありました。しかし現在は「FileMaker」を導入したことで、タブレット端末で外出先から社内のデータベースにアクセスすることができるため、いちいち会社に戻ることなく、その場で起票をすることが可能となりました。こうして無駄な移動時間が大幅にカットされ、その時間をほかの業務に使うことができるようになりました。さらに、外部にいながら「FileMaker」で書類をPDF化して「クラウドPBX」でFAXを送れるようになり、「対応速度が格段に上がった」とお客様からも好評です。社員の残業もほとんどなくなりました。
加えて、「A-SaaS」の導入に伴い、クラウドに対応した記帳代行会社との連携も始めました。クラウドサービスの中にデータを入れると、記帳代行会社が会計ソフトにインポートし、仕訳も入力してくれるため経理の処理も簡単です。請求書などの写真を取り込めば、ネットバンキングに金額が登録され、こちらで許可さえすれば振り込みが完了します。おかげで、会計事務担当者が不要になり、1人でも楽に行えるようになりました。

【展望】アナログな部分を残しつつ、インクルーシブなサービスを展開

効率化を実現した今、次なる新しい取り組みに挑戦していきたいと考えています。例えば、印刷物を簡単に注文できる、お客様用のシステムです。印刷物はパッケージ商品のように値段が決まっておりません。そこで、印刷の仕様や部数などを選択すると料金が簡単に計算されて、お客様がストレスなく注文できるシステムを導入したいと考えています。しかし、高齢化が進んでいる現在、単純にITを導入したところで響かないお客様もいらっしゃいます。だからこそ、アナログな考え方を残していくことも必要だと思っています。そういった視点を大切にしながら、商品展開していくのが今後の一番の課題です。インクルーシブという考えに近いような、さまざまな人に届くサービス・商品を展開していきたいです。

社名:フジイ印刷株式会社
HP:https://www.fujii-print.com/

代表:代表取締役 藤井聡
主な事業:印刷業
所在地:岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓4947-17
創業:1949年11月

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