レジシステムの改善で戦略的な店舗経営を目指す

  • 2021年04月27日
  • 二十四節氣 神楽
  • 飲食業
  • POS(汎用)
  • 関東
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「二十四節氣 神楽」は、諏訪大社秋宮の目の前に店舗を構える、信州米沢ビーナス米を使用したお結びと季節の汁物が人気のお店です。下諏訪商工会議所の経営支援を受け、レジの機能を向上させるために、ITツールを導入しています。

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代表:武居章彦さん

当店で提供している食材は、すべて化学調味料・保存料無添加という素材へのこだわりを徹底しています。水やお米をはじめとした国内産の食材、そして地元信州産の素材をふんだんに使用しており、お食事を通じて信州の歴史と風土、郷土料理の素材感や優しさをお客様に味わっていただくことを何より大事にしています。ランチタイムは神楽御膳などの御膳メニューが豊富で、長野県産コシヒカリ「信州米沢ビーナス米」を使用した焼きお結びは絶品です。また、各種メディアでも取り上げられているオリジナル商品「七福味噌」が有名です。信州みそをベースに7種類の具材を混ぜ合わせて作ったこの七福味噌は、店舗のみならずネット通販でも非常に人気の商品です。

【課題】アナログレジでは売上データなど各種数値が把握できなかった

これまで使用していたレジは、スタッフが手打ちするアナログ形式のものでした。レジを扱うスタッフは料理や飲み物の単価といった各種メニューの値段を把握する必要があったため、レジ経験が豊富なスタッフが休んでしまうと、対応が困難になってしまうという課題を抱えていました。また、金額の集計などが煩雑になることもしばしばあり、売上管理などについては“どんぶり勘定”のような状態だったといっても過言ではありません。お客様の年齢層や男女別で人気のメニューも記憶を頼りに把握していたため、例えばランチメニューがA、B、Cとあった場合にAが7割くらいでBが2割、Cが1割といった印象だけで現状を把握していたのです。そのため、メニューを開発する際も具体的な売上や販売数に関する数値がなく、いわば感覚をベースにして顧客ニーズを探っていました。

【導入】コストのかからないPOSレジシステムを導入

課題解決を目指し、下諏訪商工会議所のIT導入支援を受けることにしました。このIT導入支援は伴走型の経営支援であり、店舗経営の課題点を発見し、解決策としてITツールを導入するというものです。2019年に行われた軽減税率のタイミングで、いくつかのクラウド型レジアプリなどが開発されていたため、私たちに合った内容のレジアプリを見定め、今後の経営に必要な素材(売上データなど)を簡単に入手できる環境づくりを目指しました。
下諏訪商工会議所のご担当者様からご提案いただいたのは、POSレジアプリの「Airレジ(エアレジ)」を導入することでした。「Airレジ」の導入でまず魅力的なことは、イニシャルコストが無料で使用できるところです。インターネットさえ繋がっていれば、必要な端末はiPadやiPhoneだけで稼働します。また、基本的なレジ機能である会計や売上分析なども利用可能で、ランニングコストもかかりません。実際に導入した際は、私とアルバイトのスタッフとでレジ設定を施しました。最初は使いこなせるか不安もありましたが、メニュー登録などの入力業務に多少時間はかかったものの、初日からスムーズに使用できました。スマートフォンやタブレットを使用したことがある方ならば、比較的だれでも簡単にはじめられるPOSレジアプリだと感じています。

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【効果】レジの操作性が改善され、従業員の働きやすさと生産性が向上した

「Airレジ」は、タブレット端末により直感的に操作できるので、主にレジを使用するデジタルネイティブ世代の若手スタッフにも「以前よりも圧倒的に使いやすくなった」と好評です。操作に関して従業員に時間をかけて説明することなく、導入した初日からスムーズに稼働できたので非常に助かりました。また、アプリのホーム画面には、使い方マニュアルも記載されている他、困った時はサプライヤーに対して各自で問い合わせできますし、日別の売上や商品別の売上もタップひとつで確認できます。これまでは、2ヵ月に1回のペースで約半日かけて売上を管理していたため、タイムリーに売上管理ができることで私が別の業務に集中できるようになりました。
さらに、メニュー開発や変更の際にも感覚だけで方向性を決めることが無くなりました。Airレジ内に記録された顧客データをチェックしつつ、既存メニューは何が人気で年齢層別にどのような食材が選ばれているかを参考にしながら、根拠のあるメニュー開発や変更が可能になりました。また、必要なデータが簡単に揃い、なおかつ遠隔でも共有ができることから、経営相談などの際に、移動時間等の時間的コストを軽減しながら継続的に支援を受けられる点もメリットだと感じています。

【展望】ITツール導入により得られたデータをこれからの経営に役立てたい

今回導入したAirレジのように、ITツール導入を通じてCRM(顧客管理システム)を強化していきたいと考えています。そこで蓄えられた顧客データは、メニュー開発はもちろん、サービス内容や事業展開において「財産」になるので、店舗経営にしっかりと役立てていきたいと思います。また、コロナ禍によりお客様との向き合い方も変わりつつある中で、最近ではテイクアウトができるお弁当販売なども積極的に行ってきました。お弁当作りは普段の業務よりも工数がかかりますので、ITツールを上手く活用し、業務効率化と併せて取り組んでいきたいと考えています。昨今、無料で試したり、導入することが可能なアプリやツールが数多く世に出ているので、これから先も積極的にITを導入して、自分たちに合うかどうかを見定めていきたいと思います。

社名:二十四節氣 神楽
代表:武居章彦
主な事業:飲食業
所在地:長野県諏訪郡下諏訪町立町3571
創業:2016年1月

【支援者の紹介】小規模事業者のIT支援に重要な、身の丈に合ったIT導入

森川さん「『二十四節氣神楽』様には、IT導入支援を通じてご相談をいただきました。お話をする中で気が付いたことは、神楽様が比較的大まかな見立ての上で店舗経営を行っていたということです。そして、当会議所としてはIT活用をご紹介することで、そのような状況を打破することが可能ではと考えました。しかし、無闇にITツールを紹介することは、経営を危機的状況に陥らせてしまう危険性もあります。ITを活用する上で重要なことの1つは、それぞれの事業者が身の丈に合ったITを導入することであると考えています。そこで、神楽様の課題を解決できるITツールの中で、最も適したものは何かということを慎重に吟味し、今回『Airレジ』をお勧めしました。理由としては初期費用に加え、ランニングコストについても特に必要がないことがありました。加えて、これまで「どんぶり勘定だった」という経営管理を、売上の数値をもとにロジカルに行うことが可能になるためです。昨今新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの飲食店がこれまでにない苦境に立たされています。そのような中で、どの商品がどのような方々に好まれているのか、ということを知ることは、まだ長引きそうなコロナ禍で経営を続けるために、役立つのではないかと考えています。
これまで私が支援を担当してきた小規模事業者の方の中には、ITを導入するための資金や、長期的に効果を期待するといった余裕のない方も多くいらっしゃいました。その中でどのような支援をすれば、ご相談いただいた方々に最大限お力添えできるか、と考え続けてきたことが、今回の支援でも役に立ったのではないかと感じています。」


下諏訪商工会議所
森川健さん