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SNSとECサイトのハイブリッドで販路拡大

  • 2020年12月14日
  • atelier sou
  • 製造業
  • BtoC EC
  • SNS
  • 沖縄
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「atelier sou(アトリエソウ)」は、糸満市喜屋武(きゃん)の海が見渡せる展望の良い場所に佇む工房兼ショップです。感染症拡大に伴う実店舗の休業、イベント出展の停止という困難を打破すべく、IT導入を行っています。

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代表:仲間秀子さん

当店は、真鍮やシルバーを中心に素材本来の質感を大切にしたオリジナルアクセサリーを製作、販売しています。唯一無二の個性的な商品づくりと素材へのこだわりは、アクセサリーはもちろんのこと、洋服づくりにも共通しています。また、ペアリングなども製作しているため、女性だけでなく男性のお客様にもご来店いただいています。ニーズの高まりにお応えし、メンズ服を製作している方の商品をセレクトして販売するなど、当店では制作していないアイテムも含めて、男女が気兼ねなく購入できるように工夫しています。居心地のよい空間づくりも大事にしており、店内からは沖縄の豊かな自然と海を一望できるため、長い時間滞在されるお客様も少なくありません。

【課題】感染症拡大によりこれまでの販路が閉ざされてしまった

新型コロナ感染拡大前は、沖縄県外で行われる展示販売会に頻繁に出展していました。特に多く訪れていたエリアは東京や大阪です。また、展示販売会などのイベントだけではなく、デパートに出店するなど、幅広い販路に対応していました。現在店舗で販売しているオリジナルアクセサリーは、県外で扱っていただくケースも多くあります。県外でお買い上げいただいたお客様が商品を気に入ってくださり、遠く沖縄まで足を運んでくださることもありました。しかし、新型コロナによる緊急事態宣言をうけて、月に1~2回参加していた県外のイベントが全てなくなってしまいました。加えてその当時は、お客様の安全を考慮する観点からお店を開けたくないという気持ちもあったため、店舗販売についても断念しました。
そこで、コロナ禍でも販路を拡大するために、ホームページからの販売も試みました。元々、お店をオープンする前からオリジナルのアクセサリーづくりは行っていたため、ブランドの告知を発信する手段はブログやSNSが中心でした。しかし、トラブルの報告もあるように、SNSで商品の販売を行うことは、お客様にとって信頼がおけないのではないかと考え、客様が少しでも安心して利用できるようにと、4年ほど前にホームページを制作していました。そのため、まずは既に制作していたホームページ上で販売することを考えました。しかし、運用していたホームページは海外企業が運営するシステムを使っていたことから、決済面で日本とは勝手が違う部分も多く、課題を感じていました。

【導入】国内企業運営のECサイト制作アプリを導入

商品などの情報を発信するという意味では、SNSの効果は大きいため、ディテールにこだわったオリジナルアクセサリーの魅力を伝えられるInstagramを中心に運用するようにしています。これは店舗を構える前から続けているものでしたが、当時は今よりも実名でSNSを利用する人の数は少なかったこともあり、SNSだけでは信頼性が低いのではないかと感じていました。しかし、ホームページがあることで製作者・販売元としての活動をより広く周知することができ、信頼性が高まっていると感じています。SNSに加えてホームページを利用したことにより、当店の認知度は高まっており、このことはホームページ開設後に企業からの問い合わせが増えつつあることからも確信しています。そこで、SNSとホームページの双方を利活用することでこれまで感じていた長所を活かしつつ、販路を拡大する手段として国内企業が運営するECサイト作成サービスの「STORES(ストアーズ)」を導入することにしました。こちらを運用するうえで、既存ホームページからのデータ移管などの作業は、当ブランドのことを良く理解いただいている知人のデザイナーにお任せしています。自分に使いこなせるのだろうかという不安な気持ちを抱えながら運用を始めましたが、思っていた以上にスムーズに商品をお客様へお届けすることができています。

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【効果】県外のお客様からの購入が増加した

2020年4月半ば頃から、STORESを利用してECサイトをオープンしています。STORESではSNSと連動して販売を行うことができるため、SNSでも定期的に商品をアップしながら、コンスタントに売上を得ることができています。以前から当ブランドを気に入ってくださっていたお客様からの反響も大きく、県外の方たちからECサイト経由でご購入いただいています。もちろん、コロナ禍前までの売上回復には至っていませんが、減少幅が30%程度に抑えられているのは、ECサイトを導入したおかげだと感じています。徐々に県内のイベントなども開催されるようになっており、店舗販売も増えていくのではないかと考えております。店舗とECサイト双方の販路を維持していくつもりです。
また、継続して運用していたInstagramなど、SNSからの効果も実感しています。Instagramは、商品が綺麗に並んでいて見やすいという視覚的な効果もあり、お客様の商品選びにも良い効果を発揮していると思います。また、店舗は工房も兼ねていて、作業が中心となってしまうために、お店としては不定期で営業しています。営業日の情報もSNSを利用して発信しているので、お客様が休みの日に来店されることもありません。みなさんがSNSをこまめに見てくださっていることが分かり、とても感動しました。

【展望】ECサイトと実店舗とのバランスを強化

今後は、オンラインでの商品閲覧や購入がこれまで以上に身近で不可欠なものに変わっていくと感じています。新型コロナがきっかけになったことだと思っていますが、その影響が落ち着いてからもオンラインショップにおける商品需要は伸び続けるのではないでしょうか。そのように考えているため、引き続きECサイトやSNSを運用しつつ、収束後を見越して県外への出店も計画しています。大切なのは、足跡を残すことです。直接つながりを持ったお客様が増えなければ、オンラインでの集客も良い結果がでないと考えています。そのため自ら県外に出て、直接販売することはこれからも大事にしていくつもりです。文章や写真だけでは伝わらない実物ならではの魅力や世界観も伝えつつ、リアルとオンラインをバランスよく取り入れて、将来的には新たな店舗の出店という夢も叶えたいです。

社名:atelier sou
HP:https://www.sou-okinawa.com/

代表:仲間秀子
主な事業:アクセサリー・被服の製造・販売
所在地:沖縄県糸満市字喜屋武1316-1
創業:2008年