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在庫管理業務をITで劇的に改善

  • 2020年12月09日
  • RGC株式会社
  • 製造業
  • POS(汎用)
  • 会計
  • 業務アプリ作成
  • 沖縄
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RGC株式会社は、ガラス製品のショップ・美術館を併設する、沖縄県で最大の手作りガラス工房「琉球ガラス村」を運営する企業です。煩雑だった在庫管理やレジシステムのスマート化を実現すべく、ITを導入しました。

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観光企画:當眞大地さん

弊社は県内最大級の窯を持ち、その大きさを活かして、色の違うガラスの入ったるつぼを多数配置しております。原料として使うガラスの色の種類が豊富なことで、色とりどりの鮮やかなガラス製品を作ることができます。このように、多くの色を使用できる点が強みです。厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者である「現代の名工」が3名、伝統工芸品などの製造に従事する高度な技術と技法を保持する者として県内で認定される「沖縄工芸士」12名が、職人として在籍しています。県内最大規模のガラス工場ということから、団体客のご予約も受けつけております。団体でもガラスづくりを体験できるので、観光スポットとしてご利用いただいております。無料で工場見学もでき、職人たちの手でガラスが完成していく過程を間近に見られる点が人気です。販売の面でもアイテム数は常時1,500点以上に及びます。

【課題】アナログの在庫管理による数字のズレと営業職へのフォロー遅延が起こっていた

弊社は、13年前に社内の基幹システム(主に会計システム)をフルカスタマイズしました。それまでは、売り場での会計を電卓計算するなどしてそれらを表計算ソフトで手打ち入力により管理するというアナログな対応だったことで、経理業務が煩雑になっていました。それらの問題を解消するために、POSレジシステムとクラウド会計ソフトである株式会社TKCの「FX4クラウド」を導入し、経理業務の課題は改善されました。
ガラス製品の卸販売に関する在庫管理では、別の課題が発生していました。棚卸の際、実在庫は手で数えても分かりますが、理論在庫においては実在庫とのズレが生じてしまっていたのです。そのため、年度末の処理が非常に大変で時間的なコストも大幅にかかっていました。そこで、API(Application Programming Interfaceの略称)のついているPOSレジシステムを導入することにしました。これにより、卸での販売と直営店4店舗での販売、そして生産した数をすべてリアルタイムで同期できようになりました。
加えて、売上管理にも課題がありました。今までは、営業の社員ごとに全ての売上を伝票に書き出した後に表計算ソフトで集計し直して、そこで初めてそれぞれのガラス製品の納品数が分かる状態でした。そのため、リアルタイムに営業職に対するフォローやサポートができていなかったのです。

【導入】コスト削減と柔軟な対応力が大きな決め手に

API型のPOSレジシステムとして「スマレジ」を導入しました。2019年の軽減税率時に既存システムのアップデートにかかる費用と、「スマレジ」を導入する費用の見積もりを見比べたところ、ひと桁安く済むことが大きな決め手となりました。「スマレジ」はクラウドシステムであるため、月額課金型によるランニングコストはかかりますが、常に最新のPOSシステムを使用するためのアップデートが自動化されている点も魅力です。
また、ガラス製品の卸販売に関わる業務である伝票作成と集計、請求書の発行、商品マスタや顧客マスタの管理の登録/更新/見直しなどを営業担当者が行っており、顧客の開拓や商品の営業などのメインとなる業務の業務時間を圧迫している状況が続いていました。それらの社内の業務負担を軽減するために、業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」を導入しました。

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【効果】現場スタッフの業務効率化や経営戦略に効果

「スマレジ」を導入したことで在庫数が合わない問題も解消され、在庫管理にかかる工数の削減にも繋がりました。特に、集計関連のデータが見やすいところが満足しているポイントの1つです。ITの活用に不慣れな社員やパート従業員たちも、商品の売れ筋や人気のジャンル部門などが直感的な操作で分かるため、現状を把握することにも役立っています。これまで定期的に営業や売り場のスタッフが調査して、グラフに反映させながら導き出していた売れ筋ランキングをつくる手間も省けました。また、「スマレジ」はサポートセンターが充実しているため、社員やパート従業員たちが気軽に問い合わせでき、社員・従業員同士での指導にかかる時間的コストも削減できます。現場からも、「レジ締めの業務が短くなった」、「クレジットカード決済や商品券などの会計処理もスムーズに対応できる」といった声が上がっています。
「kintone」は導入から5ヶ月ほどしか経っていないため、まだ活用の仕組みを整備している状況ですが、営業の状況がリアルタイムで見ることができる点にメリットを感じています。Go Toトラベルの効果で沖縄への旅行客が多くなった時は、弊社のガラス製品をお土産で選んでいただくことも増え、直接買いに来てくださるお客様はもちろん、国際通りの店舗やホテルなどの業者取引も増加しました。そのような際にも「kintone」上のデータ情報や数字を見れば、業務負荷がかかっている営業担当者が分かるため、経営者側も新たな人員を配置するなどの判断ができるようになりました。これまでは、「もっと頑張れるだろう」といった根拠のない憶測で判断していたものが、数値をもとに根拠のある経営戦略が図れるようになりました。

【展望】働く人とお客様、双方にとってより良い環境づくりにITを活かす

現在、ECサイトも運用していますが、売上は年々減少傾向にあります。今年は新型コロナによる巣ごもり需要はあったものの、それでもこれまでと比較して2割増程度です。そのため、2021年3月を目途にEC構築プラットフォーム「Shopify」を活用し、新たなECサイトを構築する予定です。オプションが豊富でそれらを組み合わせることで越境ECも可能になるのではないかと期待しています。「スマレジ」を導入した時もそうでしたが、最新のITツールはiPadなどのタッチパネル操作で簡単に操作ができることから、パソコン操作が苦手な従業員も使いやすいと喜んでくれることが多いと感じています。そのため、今後も操作しやすいツールを導入するなどの対策を講じながら従業員が働きやすい環境づくりを行いつつ、お客様を退屈させないデジタルサイネージの導入なども検討しています。今後も、より良いサービスを追求していきたいと考えています。

社名:RGC株式会社(琉球ガラス村)
HP:https://www.ryukyu-glass.co.jp/

代表:代表取締役 稲嶺佳乃
主な事業:手作りガラスの製造・小売販売・卸販売
所在地:沖縄県糸満市字福地169番地
創業:創業1983年4月6日

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