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IT活用で陶器を利用した魅力ある「おうち時間」をお届け

  • 2020年11月24日
  • 有限会社梅森陶器店
  • 小売業
  • BtoC EC
  • SNS
  • 東北
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有限会社梅森陶器店は家庭用・業務用の食器からギフトまで、様々な器を扱う陶器専門店です。店を構えている岩手県一関市を盛り上げるために、SNSやECサイトといったITの活用に取り組んでいます。

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梅森弘嗣さん

弊社は、岩手県一関市を拠点として様々な器を扱う小売店です。私の曾祖父の代に開業したため70年もの歴史を持っており、陶器の卸売りから操業を開始し、現在では小売店を営んでいます。開業した曾祖父が大きな問屋で働いていた経験と人脈を持っていたため、波佐見・有田・美濃という日用食器の一大産地で作られた商品を豊富に扱うことができており、これが弊社の大きな強みであると考えています。基本的には一関市内の方々がメインのお客様ですが、遠方からいらしたお客様に、「どうして東北にこれほどまでに豊富な陶器がそろっているの」と驚かれることがありました。日用食器は高価な食器とは異なり、多くの方々に利用してもらうことのできる食器だと考えています。今後はより若い世代の方々にも陶器を楽しんでいただけたらと考えています。

【課題】SNSを通じて獲得したお客様に有効活用していただけるECサイトではなかった

弊社では6年前からFacebook、5年前からInstagram、そして3年前からECサイトの活用を行っています。もともと明確な目的を持っていたわけではありませんでしたが、企業向けのアカウントであるFacebookページができたことをきっかけとして利用を始めました。当初は「商品を売ろう」とは考えておらず、私たちが毎日使っている陶器を楽しんでいただきたいという思いから始めたものでした。その後、Facebookを利用する企業が増加し、多くの企業の中で埋没してしまうのではないかと危機感を覚えるようになったため、InstagramやTwitterなど、その他のSNSの利用も始めました。特に写真を主なコンテンツとして扱うInstagramについては、「食器カタログ」の代わりにもなり得るのではないかと考え、商品の紹介を中心として毎日投稿しています。このような活動を続ける中で、徐々に、掲載している商品の詳細を知りたい、購入したいといったお客様のお声をいただくようになり、弊社でもECサイトの運用を始めることになりました。SNSで繋がった客様が大変多くいらっしゃったため、当初はSNSで直接お取引する方が格段に多く、ECサイトを有効に活用できているとは言い難い状況でした。

【導入】SNSとECサイトの役割を明確に分化

ECサイトの利用を始めた当初は商品数が少なく、どのような商品を購入できるのか一見して分からないようなデザインだったほか、主な決済手段も代引きや振込みというアナログな手法でした。そのため、SNSで直接お客様と売買を行うケースとほとんど変わりなく、これがECサイトでの取引が増えなかった要因の1つだと考えています。
対照的にSNS、特にInstagramについては、1日1回投稿することや、投稿の時間をメインターゲットである女性が見やすい時間に設定するなど、運用を続けるうちに自分の中でノウハウを見つけることができたように思います。そのため、現在ではInstagramのフォロワー数は約75,000人となっています。SNSをきっかけとして、日本全国のより多くの方々に陶器の魅力を伝え、また実際の生活の中で利用していただくためにも、改めてECサイトを有効活用しようと考えるようになりました。そして2020年1月、クレジットカード決済を導入し、サイトのデザインも商品のラインナップが分かりやすいものに変更しました。

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【効果】SNSとECサイトの相乗効果で売上アップ

まずSNSの活用により、一関市外からのお客様もいらっしゃるようになりました。これまでは、岩手県内でも市外から来店してくださるお客様は少なかったのですが、今では岩手県内はもちろんのこと、東北6県、果ては関東、関西の方々にまで、店舗を訪れていただいています。加えてSNS・ECサイトの利用によって、会社の業績は年々上昇させることができています。2020年は感染症の流行により多くの小売店が売上を減少させてしまいましたが、弊社では、刷新したECサイトの売上増加により、このような業績を達成することができています。感染症の流行に伴った「巣ごもり需要」も関係しているのではないかと考えています。外出自粛が全国的に呼びかけられたことにより、多くの人々が、例年よりも多くの時間を自宅で過ごすようになりました。家での時間を少しでも充実したものにしようと、多くの方々がフードデリバリ—などのサービスを活用している中で、弊社の扱っているような陶器も、食卓を彩る有効な手段の1つとして認められたのではないでしょうか。弊社SNS・ECサイトを通して販売した陶器がより多くの方々の「おうち時間」を彩る一助となったことを誇りに思います。

【展望】ITを利用して地元を活性化

SNSとECサイトの活用を始めてから、ITの可能性には驚かされています。特にSNSについては、扱っている商品や新商品の情報をこちらから発信するだけでなく、お客様から直接ご要望を伺うことが可能です。様々なお客様の多様なニーズを知ることは、SNSがない時代にはとても難しいことでした。しかし現在では、スマートフォンさえあれば、お客様の需要を知ることができます。是非ともより多くの小売店の方々が、ご自身の手でSNSの活用に挑戦してみるべきだと考えています。弊社としては今後もこのような取り組みを続けながら、現在過疎化が進む一関市により多くの人が訪れてくれるきっかけの1つになりたいと考えています。

社名:有限会社梅森陶器店
HP:https://umeto-ki.shop-pro.jp/

代表:梅森 宏一
主な事業:日用食器の器を扱う梅森陶器店の経営
所在地:岩手県一関市八幡町2-5
創業:昭和22年

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