弊社は2つの飲食店を経営しながら、クラウドファンディング活動の支援など数多くの事業を展開する企業です。飲食店としては、福島県の地酒を時間制でお楽しみいただいている「SHOKU SHOKU FUKUSHIMA」と、今回オープンしました「with curry」があります。「with curry」は、コロナの影響で外食ができず、孤食が増えているということを耳にしたのをきっかけに始めました。「あなたを家でひとりにさせないカレー屋さん」というコンセプトの下、「CAMPFIRE」というサービスを利用したクラウドファンディングを活用してオープンしました。カレーの美味しさにも自信を持っていますが、駅から徒歩5分程度の場所にあり、地元の方ならば誰もが知っているウスイ百貨店の地下1階に店舗を構えていることと、SNSの様々な活用が強みです。
*孤食…家族や恋人が不在の食卓で、1人で食事をすること。コミュニケーションが不足するため、子どもの孤食については社会性や協調性のない人間に育ってしまう恐れなどがある。
【課題】コロナ禍で孤食が増加していた
コロナの感染拡大に伴って、日本全国はもちろんのこと、世界中で外食等が自粛されるようになりました。日本でも東京など一部地域では店舗への自粛要請が各自治体から発出されるなど、現在は外食産業にとって非常に困難な時期であると考えています。また同時に、飲食店に行けないことで、一人暮らしの方の孤食が進んでいるということを耳にしました。私自身、誰かとご飯を食べるのが好きですし、経営している「SHOKU SHOKU FUKUSHIMA」ではお客様と楽しくお話させていただくこともしばしばあります。そもそも、食事というものは栄養を摂取する以外にも、家族や恋人、親しい友人たちとの親交を深め、心の健康を保つ機能も持っていると考えています。そのため、誰かと一緒にご飯を食べたい人が、毎日一人でご飯を食べるしかないという状況を打破したいと考えるようになりました。
【導入】慣れ親しんだSNSを再活用
孤食について考える中で、リアルで一緒に食事ができないならば、オンラインで一緒に食事をすればいいのではないかと考えるようになりました。そこで、Instagramのライブ配信機能を利用して、弊社が経営する店舗でテイクアウトした料理を一緒に食べる「あなたを家でひとりにさせないカレー屋さん」をコンセプトとした「with curry」をオープンすることに決めました。これまでにも弊社では「SHOKU SHOKU FUKUSHIMA」の経営や「fukunomo」という日本酒のサブスクリプションサービスでSNSを利用していたこともあり、SNSを活用して課題を解決するということは自然な考えでした。特に「fukunomo」においては、Zoomを利用して月毎にお届けした日本酒の蔵を対象とした「オンライン蔵見学」と、サービス利用者の方々を招待したオンラインでの蔵元との呑み会を行っており、これらのサービスで培った知見は役に立ったと感じています。
【効果】ライブ配信を通じてお客様との交流を深める
「with curry」をオープンした8月20日から現在まで、夜7時にInstagramのライブ配信を行っています。「with curry」では働いているスタッフのことをキャストと呼んでいます。従業員に「with curry」という店舗とInstagramのライブ配信の双方を舞台として捉えてもらい、お客様を喜ばせる意識を持ってもらいたいという思いがあるからです。これらはすべて、キャストと社長である私の全員で考えたことであり、実際にInstagramのライブ配信では、配信ごとに担当者を変える中で、各キャストにファンが付き始めています。ライブ配信は当初の狙い通り、お客様とのコミュニケーションの場となっています。店舗にはイートインスペースを設けてありますが、ライブ配信をきっかけとして店舗を実際に訪れるお客様もいらっしゃいます。これはライブ配信でキャストのキャラクターを伝えてきたことが、キャストとお客様の距離感を縮めることに繋がったためだと思っています。そしてキャストとお客様の距離感が縮まることで、当初の目的であった孤食の解決に繋がっていると感じています。
今や、Instagramのライブ配信は多くの方に馴染みのある機能です。この機能と、食べるときに一皿で完結するカレーという料理を結びつけ、お客さまには食事とライブ配信の両方を楽しんでいただいております。「with curry」が孤食問題の解決の一助を担うことができたのは、このように、カレーとInstagramのライブ配信を結びつけることができたためだと考えています。
【展望】SNSを最大限に利用する
Instagramは食べ物と相性のいいSNSだと考えています。それは、Instagramが写真の投稿をメインにしたSNSだからです。食べ物は、味わって美味しいのはもちろん大切ですが、「美味しそう」と感じてもらうための見た目も大事な要素であり、Instagramはそれを伝えるのに適したツールだと思います。そのため、「with curry」でも盛り付けの際には写真映えがするように気を付けている他、メインターゲットとしている女性の心に刺さるような写真を投稿しています。このようなSNSでの情報発信は無料で行うことができます。自分たちで試行錯誤しなくてはならないため、大変さもあるとは思いますが、お金をかけた広告に取り組む前に、特に飲食店の方々は取り組むべきものではないでしょうか。
また、今後はLINEを活用して常連の方などを対象に、よりスピーディに且つ確実に、新メニューやお得情報をお届けしていきたいと考えています。
社名:株式会社エフライフ
HP:https://www.f-life.org/
主な事業:飲食店「SHOKU SHOKU FUKUSHIMA」「with curry」の経営
クラウドファンディング支援事業 他
所在地:福島県郡山市方八町2-8-16 f life base
創業:2017年8月1日