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IT導入を通して支え続けてくれた従業員の幸福度向上を実現

  • 2020年10月22日
  • 株式会社亀沢屋
  • 製造業
  • 請求書類発行
  • 関東
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株式会社亀沢屋は100年の歴史を持つ菓子店です。これまであらゆる業務をアナログな手段で行っていましたが、業務の煩雑化によってこれまでの方法での業務遂行に限界を感じ、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)の「IT経営簡易診断」を受けました。


※IT経営簡易診断とは・・・?
中小機構がご提案する、自社のIT経営をチェック&見える化する簡易診断サービスです。
専門家との3回の面談を通して経営課題・業務課題を整理し、IT活用の可能性を無料でご提案します。
事業の詳細は、下記URLよりご確認ください。

https://www.smrj.go.jp/sme/enhancement/diagnosis/index.html

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店長:坂本美加さん

弊社は和菓子と洋菓子の双方を自社で製造している企業です。和菓子職人と洋菓子職人が在籍しているため、それぞれの長所を活かしたお菓子作りができます。1921年を創業としており、地域で唯一の菓子店として地域の皆様の様々なご要望にお応えしてきました。より多くのお客様にお喜びいただけるよう、商品の種類を増やし続けながらも多品種小ロットでお菓子作りを続けています。そのため、今では商品ごとにお得意様を抱えるまでになりました。
加えて、現在では秩父が観光事業に力を入れている関係もあり、秩父出身の林家たい平さんとのコラボ商品などの秩父らしいお菓子をお土産品として製造しています。人口減少のあおりを受けて直営店での売上は減少傾向にありますが、デパートや道の駅、土産物店など、様々な場所で大勢のお客様に弊社の菓子をお手に取っていただけることは、とても光栄なことだと考えています。

【課題】作業量が増加したことで人的ミスが発生

弊社直営店だけではなく、道の駅や土産物店などにも商品を卸すようになったことで、手作業での納品書や請求書の作成をはじめとする種々の管理業務に時間がかかるようになっていました。店舗ごとに納品数が変わることはもちろんですが、取引先との契約内容によっては商品1つ当たりの金額がわずかですが変わることもあります。軽減税率による税率の違いの影響などもありました。そのため、発注書や請求書の作成を行う都度、卸先の店舗ごとに値段を確認するなど工数が大幅に増えてしまいました。このことは、単純な作業時間の増加だけでなく人的ミスの増加にも繋がりました。工数が増えることで作業が増える、作業が増えることでミスが増える、という負のスパイラルに陥ってしまっていました。

【導入】深く知ることが苦手意識の克服に

煩雑になった管理業務を手作業で行うことに限界を感じたため、ITを活用してはどうか、という話が社内で持ち上がりました。しかし、弊社は来年で創業から100年をむかえる老舗企業ということもあり、長年共に働いてきた高齢のスタッフが多く在籍しています。自分たちにITが使いこなせるのか、よりミスが増加することや作業時間の増加に繋がってしまうのではないかという心配がありました。そんな折、中小機構のIT経営簡易診断の存在を知り、コンサルティングを受ける中で、ITツールを利用して納品書・請求書等を管理することが、思いのほか難しいことではないということが分かりました。サービスの利用開始時には手厚いサポートを受けることができるものも多く、これらのサービスを利用することが弊社の負担を大幅に削減することにつながるのではないかと考えるようになりました。

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【効果】業務がこれほど効率的になるとは思っていなかった

「IT経営簡易診断」のコンサルティングを踏まえて、現在幾つかのサービスをピックアップして導入の準備を進めています。弊社は観光地とはいえ、田舎にある小さな菓子店です。調べる前には弊社のような会社がITを導入しても、状況は好転しないのではないかと考えていました。しかしコンサルティングを受けてからは、むしろ弊社のような会社こそ、ITツールを利用して少ないスタッフでも効率的に業務を行うことで、お客様に喜んでいただける菓子作りに繋がっていくのだと思えるようになりました。段階的にITを導入しつつありますが、これまで苦手意識を感じていたことが嘘であったかのように、各種の管理業務がこれほど効率的になるのかと驚いています。具体的には、売上管理をシステム上で行うことで、決算前の膨大な量の作業時間を削減できる事や、納品書・請求書作成に際しての複雑な計算処理を初めに設定しておくことで簡略化できることなどです。
これらの結果が得られたのは、「IT経営簡易診断」で担当してくださった専門家の方が、ITへの苦手意識やスタッフの平均年齢、これまでの業務手順など、弊社の現状を深く理解し、尊重してくださったからではないかと考えています。

【展望】常により良い労働環境を目指して

納品書・請求書等に加えて、今後は勤怠管理システムも導入していきたいと考えています。必要な情報や条件を入力・設定すれば、納品書や請求書については各店舗への一律の納品情報等を打ち込むだけで、また勤怠管理については勤務時間を打ち込むだけで、請求金額の計算や給与計算が自動的に行われます。このことは業務の簡易化・効率化につながり、従業員のストレスを減らすことにもなります。これまで弊社が100年もの長きにわたって存続できているのは、弊社の菓子を召し上がってくださっている地域の方々はもちろん、共に働いているスタッフたちのおかげであることは疑いようがありません。今後はITを通じた業務の簡略化や労働環境の整備を通して、スタッフたちの幸福度を高めることのできる経営をしていきたいと思っています。

社名:株式会社亀沢屋
HP:https://kamezawaya.net/

代表:代表取締役 菊池政文
主な事業:手作りの和菓子・洋菓子の製造と販売
所在地:埼玉県秩父郡皆野町大字皆野1359-2
創業:1921年

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