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実店舗で培ったノウハウをITで新たなサービスへ発展

  • 2020年10月30日
  • 株式会社サンエー
  • 小売業
  • BtoC EC
  • 九州
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株式会社サンエーは、1954年の創業から時代ごとに取扱品目を変えながらニーズに応えてきました。これまではその時々の人気ブランド品を並行輸入で仕入れて、価格訴求による販売で業績を伸ばしてきました。現在はIT導入により、これまでとは異なるアプローチで顧客のニーズに応えています。

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専務取締役:岩本大興さん

弊社は海外より直接輸入した最新のブランドアパレル雑貨の販売を行っています。1954年の創業当時から時代のニーズに合わせた商品を販売しており、取扱商品は万年筆、時計、ライター、そしてアパレル・雑貨へと変化してきました。扱う商品は変わっていますが、一流のモノをお届けしたい、という創業当時からの思いだけは変わりません。弊社の強みは、これまでの歴史で培ってきた26000名を超える購買履歴のある顧客リストと、取締役である私自身が顧客ニーズに応えながら現地買付の仕入をしていることです。さらなる顧客満足度を高めるために、顧客様のニーズをお聞きして現地で買い付けるスタイルに注力しています。日本未入荷品や日本の市場に無いモデルや色やサイズの商品を顧客様のニーズに応えるサービスが強い支持を頂いています。最安値を追い求めるNo1戦略から、顧客ニーズに応えるONLY1戦略へと販売ノウハウの構築をしています。ネット販売と店舗販売で培った小売販売のノウハウを生かして、2020年9月に輸入卸会社「リッチェマガジーノ」を新たに設立しました。

【課題】立地というアドバンテージを失うことが決まってしまった

2010年、これまで店を構えていた福岡市天神から立ち退きの要請を受けました。立ち退きは2016年ということで決定しており、人通りが多く、お客様の目につきやすい場所を離れることで、売上が減少してしまうのではないかと危機感を覚えました。天神の中でも弊社店舗の立地は特にアクセスが良い場所であったため、売れ筋の商品を仕入れることさえできれば、それを店先に並べるだけで売れていたのです。立地という大きなアドバンテージを失った上に、インターネット通販の台頭等による物販の大きな変化があり、これまでと同等以上の売上を確保するためには、新たな取り組みが必要だと感じていました。

【導入】ITに精通した方々に相談しながらの導入

2010年から2016年までの立ち退きまでの期間に楽天・アマゾン・ヤフーとそれぞれのECサイトを立ち上げました。それまで外注で商品の販売を行っていたヤフーオークションも自社運営に切り替え、その外注先の方をはじめとする、ITに精通した方々に相談をしながらECサイトの運用を開始しました。弊社は永年勤続の社員が多く、主な顧客様と共に高齢化が進んでいます。そのような環境下でスマートフォンやパソコンを使う新業態の導入を進めることには大変苦労しました。しかし根気強くスタッフ毎に明確な役割分担を行ったことで、対応が出来るようになりました。

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【効果】顧客一人ひとりのニーズに応えることで差別化を図る

楽天・アマゾン・ヤフーのECサイトの運営開始後は、売上が2倍、3倍と増加しています。
これまでの実店舗では、豊富な種類の品揃えを店頭ディスプレイすることを想定した各SKU1点づつの仕入をしてきましたが、ECサイトでは、出品にかかる時間コストなどを考えると、売れる商品の奥行在庫が必要になってきました。しかし、モールでの販売は価格競争が激しく、現地直接買付を行っている弊社でも競合他社との価格競争では利益を残せる販売計画が困難に陥りました。そこで現在では【価格訴求No1戦略】から【顧客の声に応えるOnly1戦略】へと戦略を切り替えて、日本の代理店に入荷しないヨーロッパ市場限定モデルや、モール上で競合他社が扱わない型番や色やサイズを中心に、あえてマイナリティなニーズに応える商材も増やしています。人気の商品は最安値No1戦略で、市場に無いOnly1商品は顧客満足度の第一の接客サービスを提供しています。ECを活用しつつも顔の見える接客サービスがこれからのショッピングに増々求められると感じます。それは、これまで弊社が永年やってきた実店舗での接客サービスそのものです。購入を検討されてるお客様に寄り添い最適な提案や的確なファッションアドバイスがお届けできるように、実店舗とEC販売の融合を目指していきます。

【展望】IT導入による売り上げ増加から、ITサービスのモデルケース提案へ

現在コロナの影響を受けて、ファッション業界では多くの店舗がECサイトの運営に乗り出しています。苦戦を強いられているリアル店舗が多く、この状況はコロナ収束後も戻らないのではないかといった話も耳にします。そのような時代において、ECサイトを運営することは必要不可欠なことだと感じています。またコロナ禍で集客に苦戦した大手百貨店や販売店で働いていた方々が失業されているとも聞きました。ショップ店員は1人1人にお客様がついています。お客様はそのお店で買うというよりもあの人から言われたから買うというショッピングの楽しみが大きく重要な要素と思います。ファッション業界に携わる人々が、インターネットの台頭やコロナにより苦境に立たされ、大好きなファッションの仕事から追われてしまうのではないかと危惧しています。
そこで、そのような方々が築き上げたお客様との関係を途絶えさせないためにも、弊社の在庫レス販売システム(特許出願中)を新たなサービスとして展開し、ファッション好きな働く人、ファッション好きなお客様に喜ばれる事業を展開していきたいと思います。

社名:株式会社サンエー
HP:https://eurobrand.jp/

代表取締役:岩本大興
主な事業:インポート雑貨・アパレルの小売販売、卸販売
所在地:福岡市博多区博多駅前2-10-19 福岡ファッションビル509号室
創業:1954年9月14日

社名:有限会社リッチェマガジーノ
代表取締役社長: 岩本大興

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