弊社は制御盤をメインに高圧低圧の配電盤、産業用分電盤、監視制御装置を自社で設計・開発・製造する会社です。利用用途としては、電気的な制御を必要とする大型プラント、ダムの水門、ビルの空調、遊園地のアトラクションなど多岐にわたります。創業当時から50年間「できないと言わない」という経営理念をもとに、お客様のご依頼に合わせて完全受注生産で製造を続けています。
【課題】既存のITツールが有効利用されておらず、効率化を検討していた
日頃から、顧客情報の引継ぎや見積の作成など、時間のかかる作業を効率化したいと感じていました。すでにIT化されている部分もありましたが、プロの目線で改めて見ていただきたいという考えに至り、IT経営簡易診断の支援を活用しました。企業支援に力を入れておられる多摩信用金庫さんから、中小機構のIT経営簡易診断を活用してはどうかご紹介いただいたこともあり、お願いすることとなりました。無料で受けられる事も利用を決めた理由のひとつです。
弊社が課題と考えていたのは、7年前に導入した製造業に特化した原価管理システムとスケジュール管理システムの有効活用です。同時に社内SNSとして利用していた「セールスフォース」の稼働も非効率であったため、その活用術も求めていました。
【導入】新しいものを取り入れる社風から、すぐに導入を決意
IT経営簡易診断では、チームで業務を改善するために情報を共有するプロジェクトマネジメントツールを幾つか提案していただきました。加えて建築業界では各現場を管理するという手法をとっており、弊社にとってはこのような形で、ITを活用しながら製品ごとに管理を行う方が適しているのではないかと提案をいただきました。新しいものを取り入れていこうという社風もあったため、すぐにこの手法を導入することにしました。その後の運用方法までご教示いただけたことは、現在でも財産になっています。
また、IT以外の視点でも経営に関する診断とアドバイスがあったのが有難かったです。
【効果】ITの有効利用で業務が円滑に
製品ごとに管理を行うという手法を強化しスケジュール管理がしっかりできるようになったことで、既存のシステムを使いながら工場の稼働率や人員のスケジュールが見える化されました。この結果、作業の割り振りが簡単になったことに加え、明確な納期をお客様へご提示できるようになりました。また、レポートや日報の入力は「セールスフォース」で行うように変更しました。紙媒体でのやり取りでは社内での情報共有に時間がかかっていましたが、「セールスフォース」のチャット機能を利用してからは情報共有をスムーズに行えています。診断後すぐに新型コロナの問題が出てきましたが、情報共有の課題をクリアしていたため、在宅勤務に速やかに対応することができました。
【展望】変化を恐れず、時代に合わせた企業像へ
IT経営簡易診断を受けて、業務を整理することの必要性を再認識できたことが大きかったです。今後は顧客管理や在庫管理をはじめとして、今までやっていなかったことにチャレンジしていきたいと思っています。既存のITシステムを活用しつつ、今回採用した製品ごとの管理手法以外にも、既存の在庫管理システムの改良のために検討しているITツールがあります。社員の幅広い年齢層を考えながらも、若い世代に引き継ぐことを見据えて、時代に合わせた様々な業務形態に対応できる会社でありたいと考えています。
社名: 株式会社友伸エンジニアリング
HP:http://www.yushin.co.jp/index.html
主な事業:電気・計装盤類の設計、製作
所在地:東京都府中市是政2-16-23
従業員数:146名
設立:1971年4月