ITプラットフォームへ移動

クラウド型会計ソフト導入で会計業務を効率化

  • 2021年02月04日
  • 明正土地改良区
  • その他
  • 会計(土地改良区)
  • 九州
alt=

明正土地改良区は、土地改良法の改正に伴い新たな会計ソフトを導入する必要がありました。そこで選んだのがクラウド型会計ソフト「ミラウド」です。新しい会計ソフトの導入が、業務にさまざまな恩恵をもたらしています。

alt=
事務局長:古澤徳男さん

明正土地改良区は、土地改良法で認可された公共法人で、農業者の組員が組織した水路の保守や更新工事を行う団体です。都道府県知事の認可のもと、全国に大小さまざまな土地改良区があり、大分県だけでも90程の組織があります。大分県の竹田市にある明正井路第一幹線一号橋は日本一の水路橋として有名で、起伏の激しい地形から大小20を超す水橋を有する施設であり、改良区直轄管理延長は、125kmほどの農業用水路があります。

【課題】土地改良法の改正で複式簿記へと移行する必要があった

土地改良法の改正により、従来まで行なっていた単式簿記を、複式簿記に移行しなければなりませんでした。単式簿記は家計簿のようにお金の出入りを入力するだけなのですが、複式簿記は「仕訳」と呼ばれる少々煩雑な作業を要します。これまで複式簿記は「努力義務」だったのですが、今回の法改正で義務化されました。土地改良区は仕訳の作業を行なっていなかったので、従来の業務に沿う形で自動的に仕訳・決済ができるソフトが必要となりました。
土地改良法の改正以前は、単式簿記ソフトを使っていました。単式簿記ソフトを使うにあたり保守契約をしていたのですが、保守に頼る機会が特になかったので、サポートを切っていました。しかしながら、サポートを切っている期間中にソフトのバージョンアップがあり、新たにソフトを買い換える必要が出てきました。加えて元号が令和に切り替わるタイミングでもあり、早い段階でのソフト移行が求められたうえに、Windows 7のサポート終了、OSアップデート時に既存のソフトでは対応できない問題などがありました。このようなさまざまな状況が重なり、新たなソフトを検討し環境を見直すことになりました。

【導入】クラウド型会計ソフト「ミラウド」を導入

複式簿記ができる会計ソフトとして、ADK富士システム株式会社様の「ミラウド」を導入しました。他にもいくつか会計ソフトを検討したのですが、「ミラウド」に決めた理由はクラウド完結型だったからです。クラウド型の会計ソフトはパソコンにインストールせず、インターネットのブラウザ上で利用することができます。以前、パソコンが壊れたときにデータの復元が難しかった経験がありますが、クラウド型なら、データやプログラムが端末側にないので、端末自体の故障の影響を受けにくいと思いました。どのパソコンでも同じように使える利便性に惹かれ、「ミラウド」に決めました。また、保守契約時の料金形態が明瞭だったのも、「ミラウド」に決めた理由の1つです。「ミラウド」はフルパッケージでサポートを提供しているため、いざという時に「これに加入していないから、このサポートはできない」といった事態が起こりにくく、分かりやすい料金形態が魅力的でした。
「ミラウド」を導入するにあたり、特に大きな問題はありませんでした。ITの基礎知識があまりない人が操作に戸惑っても、1ヶ月も使えばすぐに慣れる操作が簡単なシステムだと思います。

  • alt=
  • alt=

【効果】クラウド型会計ソフトの利便性が業務全体を効率化

「ミラウド」は使うパソコンを選ばない点が強みです。パソコンを変えても、自分のIDとパスワードさえ入力すれば、同じ環境で利用できます。パソコンを新たに買い足した際も、設定の難しさがありません。パソコンは消耗品なので、更新のしやすさは非常に助かっています。もちろんパソコンはどれでもできますが、IDは職員毎に作成するため不正防止の内部牽制機能も果たします。不正が行われて操作履歴はクラウド上に残り、管理者権限であっても削除はできないため、隠蔽等もできません。
「ミラウド」を導入したことで、日常業務も効率化できました。たとえばこれまで表計算ソフトで管理していたデータを会計ソフトへ自動入力することで、転記ミスをなくせます。これまでヒューマンエラーでロスしていた時間がなくなり、1日1時間くらいの時間削減につながりました。また確定申告の時期になると必ず「領収書をなくした」という人が出てくるのですが、会計ソフトと入金状況を連携させておけば、何月何日に何円入金したのかが分かります。そもそも領収書を手書きする必要なくなり、管理面も非常に楽になりました。コロナ禍で今後導入されるかもしれない在宅ワークや分散業務をする方々にも、「ミラウド」は役立つと思います。クラウド型ならインターネットに接続できる環境であれば使うことができるので、たとえば自宅からの作業も可能です。使い方次第で、「ミラウド」の可能性は更に広がります。

【展望】ITの力で全国の土地改良区の負担を軽減したい

現在ADK富士システム株式会社様に対し、顧客管理ツールについても要望を出しています。たとえば「水路が壊れた」「施設の更新をしてほしい」などの苦情をまとめて管理できるようなシステムです。顧客管理まで実施できれば、土地改良区の全ての業務をテレワークでも可能な体制が整います。また現在弊所では、水力発電所を建設中で、遠隔監視や遠隔制御のシステムも導入することを検討しています。全国の土地改良区では、農業者の高齢化や後継者不足が深刻化し、小規模な土地改良区が弱体化しているのが現状です。ITの力で少しでもマンパワーを減らし、全国の土地改良区の業務の負担軽減に力を入れられればと思います。

団体名: 明正土地改良区
代表:事務局長 古澤徳男
主な事業:農業用水路の維持・管理
所在地:大分県豊後大野市緒方町平石2561-2
創業:1914年3月