IT活用が畜産業の可能性を切り開く

  • 2021年03月16日
  • 有限会社鈴木畜産
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有限会社鈴木畜産は、黒毛和牛の肥育を行いながら、ローストビーフやハンバーグをはじめとする加工食品の販売を行う企業です。自社ブランドの和牛の認知拡大のために、IT導入を行っています。

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代表者:鈴木智巳さん

弊社は「石川はちみつ牛」という独自ブランドの和牛販売をはじめ、これら和牛を利用した加工食品の販売を行っている企業です。福島県石川郡にオフィスと牛舎を構えており、1935(昭和10)年の創業以来、黒毛和牛の肥育を続けてきました。「石川はちみつ牛」の肥育を始めたのは10年ほど前で、名前の通り、牛たちに蜂蜜やハニーパウダーを与えることを特徴としているほか、岩塩や天然水でミネラルを摂取させて発育を増進しています。また、牛舎をオフィス近くにある山の頂上付近に置いたことにより、自然環境に近く、ストレスのない肥育を実現しています。その結果、牛が健康に育ち、安定した良い肉質となります。現在は福島県内以外にも関東近辺の問屋の方と直接取引をさせていただいており、また同じ地域の鉄板焼きの飲食店でも取り扱っていただいています。

【課題】自社ブランドの和牛をどのように認知拡大すればいいか分からなかった

「石川はちみつ牛」の肥育と販売を始めたのは10年前です。当時からその品質には自信がありましたが、自社ブランドの和牛をどのようにして県の内外に広めていくかということに悩んでいました。今から5年前になりますが、石川町商工会の方に相談をしたところ、ITを活用した認知拡大に取り組んでみてはどうかというお話をいただきました。当時はITに疎かったことがあり、取り組む前は、HPを作ることで和牛という食品の認知拡大を本当に達成できるのか、半信半疑でした。また当時、受注を受けて発送を行うという作業にすら戸惑いがあったため、ITの活用には興味があったものの、自分にその運用ができるのか、不安があったことを覚えています。しかし、従業員たちと試行錯誤を繰り返して育てた「石川はちみつ牛」を多くのお客様のもとに届けたいという一心から、HPを製作することを決めました。

【導入】商工会・デザイナーとの3人4脚でHPを製作

HPの製作に取り組み始めた頃は、丁度「石川はちみつ牛」のブランドに合わせたロゴマークやパッケージングの開発も行おうとしていた時期でした。この開発はデザイナーの方に依頼することを決めており、HPの製作と同時並行で進めていたため、HPのデザインもデザイナーの方に依頼することができました。HP完成後は運用を私が1人で行っており、運用を始めてからも分からないことがあると、その都度商工会の方に相談させていただいています。また、HPの運用を担当するようになったタイミングでネットバンキングの導入も行っており、銀行に関わる作業時間が大幅に短縮されました。もともと肥育の作業はほとんど従業員に任せており、私が作業する時間はそれほど多くはなかったこともあり、大きな問題もなくHPの活用と肥育を両立することができています。HPの活用については従業員たちも、自社ブランドの和牛を沢山の方々に届けられるということで、とても喜んでくれました。

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【効果】福島県から世界へ羽ばたく「石川はちみつ牛」

ロゴやパッケージと合わせてデザイナーの方に依頼したことから、デザインに統一感があることが功を奏して、弊社HPは非常に高い評価を得ています。HPだけでも多くの方々に利用していただいていますが、HPとSNSを紐づけて利用することによって、「石川はちみつ牛」の認知拡大をより広く行うことができました。「石川はちみつ牛」のブランド立ち上げ当初と比較して、HPの立ち上げから5年が経った現在では、売上が2~3倍に向上しています。当初はその効果に半信半疑だった私にとって、この結果は期待を大幅に上回るものです。特にお歳暮やお中元を贈る時期になると、毎年用意したすべての商品がすぐに売り切れてしまうほど、現在では多くの方々にお求めいただけるようになりました。また商品の在庫ができた際などにそのことをSNSに投稿すると、多くの方から問い合わせをいただけるようにもなっています。加えて、認知拡大の大きな成果として、現在では海外での販売を行いたいという問い合わせをいただくまでにもなっています。海外での販売については、実際に卸先となる現地を訪問したところ、まだまだクリアしなければならない課題がいくつもありますが、「石川はちみつ牛」がこのように高く評価していただけているということを、従業員含め大変喜ばしく感じています。

【展望】IT活用が経営者の視点を養う

今後は「石川はちみつ牛」が石川郡の名物となるよう、更なる認知拡大を目指していきたいと考えています。そして県内はもちろん、県外や海外にまで進出していくことが今後の目標です。
また、商工会のご担当者様には現在でも多くのことを相談させていただいております。次は社内のバックオフィス業務をはじめとする種々の管理にも、ITの活用を考えていきたいと考えています。IT導入に取り組んだことで、弊社ではそれまでよりも時間に余裕が生まれるようになりました。このことによって、それまでは2~3カ月先までしか考えることができていなかった経営のことが、2~3年後まで考えることができるようになったと感じています。「石川はちみつ牛」が石川町の名物となるよう、今後もIT活用を通じて多くの方々に「石川はちみつ牛」を認知していただくための方法を考え続けるとともに、ブランドイメージをどのようなものにするか追求していきたいです。さらに、一緒に働いている従業員がより働きやすい環境を構築することを目指していきたいと考えています。

社名:有限会社鈴木畜産
代表:代表者 鈴木智巳
主な事業:ブランド和牛「石川はちみつ牛」の肥育・販売
     及び加工食品の販売
所在地:福島県石川郡石川町坂路字馬場宿78
創業:1935年

【支援者の紹介】継続的な支援によって、様々な課題を共に乗り越える

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藤田さん「我々商工会が行う支援の最も大きな特徴の1つは、継続的に事業者様とともに歩んでいくということです。今回の鈴木畜産様の支援においても、約5年前から継続的な支援をさせていただいています。このように継続的な支援を行うことによって、通常業務で忙しい事業主様方に、支援内容の進捗を確認して適切な進行と進捗をサポートすることや、第三者の視点を活かして何気ない会話から新たなアイデアの種や顧客の潜在ニーズを探り出すこともできます。また、私たちが相談を受けた際には幾つかのご提案を準備し、それらの中から事業主様自身に選んでいただくようにしています。あくまでもコストをかけて事業に取り組んでいくのは事業主様であるため、本人の意思決定が何よりも大切ではないかと考えているからです。
今回の支援では、HPの制作のために小規模事業者持続化補助金についてご提案するなど一連の支援を行ったことはもちろんですが、鈴木畜産様と一緒に東京ビッグサイトの商談会に参加して、QRコード付きのパンフレットを商社やバイヤーの方々に配るなどのマーケティング支援も実施しました。ITや補助金の活用に加えてこのような身近な支援を継続して行ったことにより、鈴木畜産様の抱える課題や将来像などを共有することができたと考えています。結果的に、働き方改革や長期的視点での経営戦略を考えるなど、当初の相談内容を超えた支援を実現できたと感じています。」


石川町商工会
主任広域経営指導員:藤田達夫

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