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自社開発により低コストでIT化に成功

  • 2021年01月12日
  • 有限会社ハマヤ
  • その他
  • 販売在庫管理
  • 近畿
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設立約50年の中小企業である有限会社ハマヤは、設立から京都府で手芸材料卸問屋を営んできました。現在は卸売事業、小売事業、ITコンサルティング事業、3本柱で会社を盛り立てています。属人化した業務を全社共有するために、IT導入を行いました。

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クラフトソリューション事業部:町田大樹さん

弊社は関西の手芸店を中心とした150店舗に手芸材料を卸しています。手芸・ハンドメイド材料というジャンルにおいては取り扱えないものがほとんどないと自負しています。しかしながら、卸問屋は日本全国どの地域にもある業態です。また多くの卸問屋は業務の大部分がアナログの作業に頼っている場合も多く、弊社でも以前までデジタル化が思うように進んでいませんでした。このような経験から、弊社の事業の1つであるITコンサルティング事業において、中小企業が何に悩んで、行き詰っているのか共感を持ってお伺いできることが強みになっています。中小企業に寄り添うコンサルティング企業として、現在では農業や学習塾、美容、人材派遣、小売店、卸売店など、さまざまな業種やベンチャー企業に対してコンサルティングを実施しています。
また、もともとの主力事業であった手芸材料の卸売りについても、デジタル化を進めたことにより様々な企業様に対して、柔軟でフレキシブルな受発注対応が実現できています。

【課題】設備環境からアナログ会社だった

デジタル化が進んでいなかった弊社では、4年前まで複合機がネットワークに繋がっておらず、コピー以外の機能を使っていませんで した。従業員は20人近くいたのに、PCは2台しかなく、手書きの5枚伝票を使用するなど、デジタル化とはほど遠い環境にありました。
従業員の平均年齢が70歳ほどで、デジタルやITに関する知見があまりありませんでしたし、加えてそういった従業員たちはアナログでの仕事に熟達していたため、IT化の必要性を強く感じていないということも問題だったと感じています。日常生活でもPCを利用しない従業員たちに対して、これからの弊社にとって IT導入がなぜ必要か、理解してもらうことが課題でした。

【導入】業務の属人化を打破したかった

多くの業務が属人的だったため、誰かが病気で休むと業務が止まってしまうということがありました。このままではいずれ、大きな問題になってしまうと考えたことから、IT化に取り組みました。アナログのまま会社の経営を続けることが災いして、いずれ会社経営の危機を生じさせかねないと感じていました。
4年前に私が入社して、専務とIT化を進めていくことにしました。その2年後、1名のエンジニアを採用しています。IT化にかける予算はもちろんなかったため、そのエンジニアが無料のオンライン表計算システムやスクリプトプラットフォームの活用を考案しました。業務の洗い出しを私と専務が行い、要件定義を書くのはエンジニアが担当し、初期費用やランニングコストを抑えつつ、自社で新たなシステムを開発しました。
このシステムは、発注管理、現場管理、在庫管理、勤怠管理、顧客管理、売上管理など、ありとあらゆるバックオフィス業務に活用されています。また、メールマガジンの配信システムもつくりました。

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【効果】コスト・時間を削減して、新規事業や新ブランドの立ち上げに成功

表計算ソフトは誰でも一度は見たことがあると思いますし、そのインターフェースを使いながら、従業員が余計な機能を覚える必要がないよう、システムの開発段階で工夫しました。シンプルに直感的に操作できるものに仕上がったので、意外とすんなり従業員に受け入れられたと感じています。「業務が楽になった」という声も聞こえてきました。できる限り手書きでの業務をなくし、デジタル化を行ったうえで、誰が今どこで何をしているか、どういう状態なのか、注文がどんなステータスになっているか、様々な見える化を徹底しました。このことにより年間5,760時間の業務時間の削減に成功し、約570万円分のコストダウンを実現しました。バックオフィス業務を効率化して生じた時間を活用して新規事業部を設立し、ITのノウハウを他社でも活用できるようにコンサルティングを行っています。その後、「amioto」という弊社の新ブランドを立ち上げました。業務の引継ぎと新事業立ち上げを目標に動いていましたが、利益率の向上や自社ブランドの立ち上げは期待以上の効果でした。

【展望】中小企業のIT化お手伝いと自社の新サービスを構築したい

現在は無料通話アプリLINEを使用した注文システムの活用をはじめ、お客様に対してトレンド感のある旬な情報をスピーディに提供することができているので、特に小売店の方々に喜んでいただき、付加価値を提供できていると実感しています。また、外部に約100名のパートナーがおり、弊社が中小企業などへITコンサルを通じたシステム導入の支援をするサービスをパートナーとつくりあげています。
しかし、まだまだシステム化・IT化できるところはたくさんあると感じています。ITがなくてはならない世の中ですし、フル活用しながら他社のIT化もお手伝いしていきたいです。ゆくゆくは自社サービスで、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)のような、ハンドメイドマーケットアプリの立ち上げもできたらとも考えています。

社名:有限会社ハマヤ
HP:https://hamaya-kyoto.com/

代表:代表取締役 有川恵子
主な事業:卸事業、小売り事業、ITコンサルティング事業
所在地:京都府京都市右京区西京極東大丸町10−1 5F
創業:1971年

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