当グループは、2020年で創業50周年を迎えました。現在、出光ガソリンスタンド部門とHonda(ホンダ)ディーラー部門、そしてゴルフ練習場部門を担う弊社「志木スポーツプラザ」の3法人から成り立っています。弊社は、平成3年にゴルフ練習場をオープンして以来、お客様の「ありがとう」を創造し、埼玉県で最もゴルフが上達する練習場になることをビジョンとして掲げてきました。お客様に安心で安全な快適空間を提供すべく、設備点検や接客サービスなどに力を注いでいます。他店舗との比較が難しい業界ですが、ネットにあげられた評価の分析を通じたサービス向上や、ポイント制で利用頻度ごとに色が変わるメンバーズカードを作成してお客様の定着率を高めるなど、あらゆる工夫を行うことで差別化を図っています。
【課題】キャッシュレスに対応できないアナログ環境
ゴルフ練習場を利用する際には、プリペイドカードを購入して使用するという方法が根付いていました。このプリペイドカードは、金券や商品券のようなもので、これまではクレジットカードによる決済ができず、何度もそれを知らないお客様にクレジットカードの使用をお断りしていました。しかし、キャッシュレス化が進む中で現金を持ち歩くことが当たり前ではなくなってきた昨今、決済方法にも改善が必要です。設備投資の遅れが機会損失につながってしまう懸念もあったため、中小企業診断士の知人に対策に関する相談をしていました。そうしたところ、「IT経営簡易診断」という無料で受けることができるサービスを利用してみてはどうかとご紹介をいただきました。当時弊社ではITツールを一切導入していなかったこともあり、相談することを決めました。
【導入】キャッシュレスに対応する決済システムの導入
はじめに、アドバイザーの方による経営面と業務面のそれぞれに関する課題や現状の業務フロー、IT活用状況などのヒアリングが実施されました。そしてヒアリング内容を元にIT戦略マップを作成後、複数のITツールをご提案いただきました。その中から弊社では、POS レジを新調して三菱UFJニコス株式会社のキャッシュレスシステムを導入することに決定しました。現在ではクレジットカードはもちろん、ICカードなどの電子マネーやQRコード決済が可能です。このキャッシュレスシステムを導入するにあたって、金融機関やカード決済会社に提出する書類などの作成業務が発生しましたが、システム自体の操作性に難しさはなく、従業員へのレクチャーなどもスムーズに進められています。キャッシュレス化が進む時代の中で取り残されないためにも、今のタイミングで導入できて良かったと感じています。
【効果】選択肢が広がり売上アップに貢献
導入後は、お客様の利便性が向上したと感じています。弊社ではゴルフスクールも開催していますが、これまでは、このスクールも現金のみで対応していました。キャッシュレス対応になったことで、支払方法の選択肢が格段に増えました。選択肢が増えたことで支払いに対する心理的ハードルが緩和され、利用頻度の向上が期待できるというメリットが生まれました。また、従業員に使い方を指導する際には、自分のクレジットカードを使って練習できるため、座学や口頭だけでは感覚が掴みにくい操作方法についても、実践を通して理解を深められる点に非常に魅力を感じています。
今回初めてIT経営簡易診断を受けましたが、受けて良かったと思っています。専門家であるアドバイザーの方が無料で3回も訪問してくださり、IT導入を経て弊社の経営課題をどのように解決していくかというプロセスを、IT戦略マップに描いてご提案いただきました。さらに弊社に適したITツールのスペックなどについても調査していただき、私たちの気付かない部分まで幅広いアドバイスをしてくださいました。今後、私たちがどのような方向に進んで行けばいいのかを示す羅針盤のようなご提案に、感動したことを覚えています。
【展望】IT活用を通して働きやすい環境づくりを
IT経営簡易診断を受けて、キャッシュレスシステムの導入以外にも多くの収穫がありました。その他にご提案いただいた指紋認証機能付き勤怠管理システムの導入は、これから取り組むべき課題だと捉えています。紙のタイムカードの場合は他人のカードを間違えて使用してしまう可能性もありますが、指紋認証機能があればそのような事は起こりません。また、勤怠チェックを自動的に行ってくれるので、支配人が手作業で行っていた工数の削減に繋がります。今後もさらに社内業務の効率化を図り、働きやすい環境づくりを行っていこうと考えています。最近では、屋外レジャーやスポーツが社会全体で見直されており、ゴルフ業界にも追い風が吹いています。幅広い世代の方たちが楽しんで過ごせる空間と、埼玉県で最もゴルフが上達する練習場の両立を目指し、今後もIT活用を行っていきたいです。