当院は歯科医療全般を行っています。常勤の歯科医師の他、各専門分野の外来医師も多数おり、他の先生と相談や情報交換をできる環境が整っています。症状に合わせて適切な処置を行うことが可能なので、ご来院のお客様にも安心してご利用いただいています。診療台9台、駐車場34台分のスペースを完備しております。
【課題】外来医師とのアポイント調整に課題、予約の集中も解決できなかった
年々、当院と提携する外来の先生が増えています。患者さんからの予約が入ると電話連絡などで、都度先生方のアポイントを取っていたのですが、その事務作業に多くの時間がかかっていました。また、お客様側にとっても、先生ごとに自分で予約を取れるようにしたいというニーズがあり、ぜひこれを実現したいと考えていました。医療事務やスケジューラーを介することなく、お客様自身が、当院の開いている時間、そして希望の先生のいる時間を一目で把握しながら選べるような便利な方法がないものか、それをITで実現できないかと模索していました。歯科医院は一日を通して均一に混むわけではありません。多くの場合、偏った時間にお客様が立て続けにくることも多く、その場合、結果としてお客様を長時間待たせてしまうことになります。こうした予約管理をより円滑に、そしてお客様である患者さんの待ち時間を減らすため、今回ITシステムの導入を検討することになりました。
【導入】ネット予約管理の「予約Premium」の導入
自身の医院の内情を医師仲間に相談したところ、インターネット予約を使うと上手くお客様を誘導することができ、業務も効率化できるという話を聞いて興味を持ちました。これまでは紙や表計算ソフトなどを用いて予約表を管理していましたが、多くの時間をとられてしまっていました。一括でクラウド上で管理できるなら、事務作業を大きく軽減できるのではないだろうかと考えました。それからは、様々な人に相談したり、自分で調べたりしながら、最終的に 「予約Premium」を選択しました。「予約Premium」は医療業界でよく使われるレセプトコンピューター(診療報酬明細書を作成するコンピューター)と連動できるということも導入の決め手でした。これまで10年間ほど、紙や表計算ソフトで予約表を管理していたので、ITを利用した新しいやり方に変えるのは導入する側も、また現場のオペレーション側にも少し不安があったのは事実です。
【効果】待ち時間の短縮、営業時間・残業の短縮に成功
実際導入してみると、思っていたほど院内での混乱もなく、今までの業務とシームレスにつながったので驚きました。医療処置の内容と、それに必要な医師の時間をあらかじめ設定しておけば、お客様の状態に合わせた時間枠を予約表で自動的に押さえてくれる点が便利です。紙で管理していた時代と比べて、業務の効率性や生産性の点で大きく向上したと感じます。これまで待たされることが多かった予約なしの飛び込みでいらっしゃるお客様についても、待ち時間を大きく軽減できたように思います。さらに、1日の来客数や混雑する時間帯をしっかり把握できたことによって、人材の適切な配置をすることができるようになり、その結果営業時間を1時間短縮することもできました。営業時間を短くすることに最初不安もありましたが、今までと変わらない人数の患者さんを診ることが出来ています。IT導入で良かったことは、これらの業務効率化もそうですが、一番は余裕のあるクリニック運営により、業務以外の自分たちの時間を作ることが出来たことだと思います。
【展望】余った時間を活用し、日々の勉強で更なるサービス向上を
IT導入前は、今までのやり方を変える事への不安や抵抗がありました。また導入についても更新や保守にお金がかかることはわかっていましたので躊躇もありました。しかし、実際に導入してみてよかったと心から感じています。予約の間違いも少なくなりましたし、営業時間を1時間減らしても売上が下がることもありませんでした。そしてお金で時間というゆとりを手に入れられた事が大きな変化です。今後は余裕からでた時間を使って、歯科医療の勉強をしていきたいと考えています。歯科医療の世界も日々進化していますので、どんどん新たなやり方や機器が出てきます。勉強を続け、よりよいサービスを地域医療に還元していければと考えています。