さくらやは、平成29年7月に創業した学生服のリサイクル(リユース)に特化したショップです。卒業などで不要になった学生服や身の回り品を買い取り、クリーニング、補正を行って販売しています。また、数は少ないながらもハンドメイド商品や菓子類の小売も行っています。学生服専門のリサイクルショップは地域では新しい試みだったこともあり、地元メディアからも取材が殺到し知名度が上がったことで、お客様が増え人気店となっています。
【課題】殺到した買取依頼にうまく対応することができなかった
創業直後は売上が上がらず、よろず支援拠点に相談したところ、プレスリリースを提案されました。これを実行したところ、多くの地元メディアに取り上げられて売上が単月135%アップ。しかし、同時に買取依頼が殺到し、買い取った商品が山積みになって手つかずの状態になってしまい、1人では手が回らなくなり困っていました。
買取順に番号をつけて買取台帳を作成し、店頭に陳列できない商品はバックヤードに段ボールに入れて保管する方法で管理しようとしましたが、それだとお客様から「○○高校の制服はありますか?」と聞かれたときに、管理が商品番号順であるため学校ごとの検索に時間がかかってしまっていました。その上、候補の商品を台帳で見つけても、今度はバックヤードの段ボールの中から探し出すのに、さらに時間がかかる始末。お客様に迷惑をかけてしまう状況に「まずい」と感じ、再度よろず支援拠点に相談をしました。
【導入】補助金をうまく活用して商品管理をシステム化
当社の商品は、すべて1点ものである上に商品在庫数が多数あるため、台帳での管理には限界があるということで、商品管理と在庫管理に簡易的なシステムを導入することをご提案いただきました。バックヤードに棚を設置して商品を学校ごとに分けて管理し、バーコードを活用して商品の単品管理と在庫管理を簡易的に管理するシステムです。導入にあたっては、保管用の棚やコンテナ、販促用のチラシや看板設置に「小規模事業者持続化補助金」を、モバイルPOSレジシステムの導入に「軽減税率対策補助金」を活用しました。
【効果】システムの導入により業務効率が200%アップ
POSレジシステムを導入したことにより、商品台帳登録から値札付けまでにかかる時間を50%削減することができました。また、システムから商品の検索や絞り込みが簡単にできるようになり、お客様をお待たせする時間が飛躍的に少なくなったことで、繁忙期の売上増が期待できるようになりました。さらに、POSレジでの売上や利益率の分析も可能となったため、商品の買取や品揃えを効率化することで今後の利益率アップも期待しています。あまりお金をかけずに、安価なシステムで劇的な業務効率化を実現することができました。
【展望】集めたデータを業務や経営状況の把握に活用していく
POSレジシステムの導入により商品管理は効率化ができましたが、販売データの活用には至っていません。これが次の課題です。今後、集めた販売データを商品の買取や品揃えの充実に活かしていきたいです。他には、経営状況の把握が目下の課題。現在は手書きの日報を税理士に提出して処理していただいていますが、経営に関する数値の把握はほとんどできていない状況です。経営状況がしっかりデータとして把握できるようになれば、さまざまな判断を下しやすくなります。具体的には、現在使用中のPOSレジシステムと連動可能なクラウド会計システムの導入を検討しています。よろず支援拠点のコーディネータからも「POSデータを会計と連動させ、日々の経営状況を見える化する」ことを提案されています。そうすれば、日報作成もほぼ自動化することができ、さらなる業務効率化とコスト削減に繋げることができるとアドバイスをいただいています。この1年で競合が数店舗オープンしました。少子化も進んでいますし、今後ますます競争は激化していくと覚悟しています。業務効率化をさらに進め、データを活用してお客様へのサービスを充実させ、お客様の満足度の向上を実現していきたいと考えています。
社名:学生服リユースショップさくらや熊本店
HP:https://sakuraya-kumamoto.com/
代表:代表 小柳 美香
業種:小売業
従業員数:5人以下