お客様にとって、家を建てるのは一生に一度の大きなお買い物です。ただ、多くのお客様は建築の知識があるわけではありません。私たちは、お客様の想いを、お客様と一緒にカタチにしていきたいという想いで仕事をしています。また、仕事で関わる人、地域の人を含めて、みんながワクワクして笑顔になるような建物をつくっていきたいという想いを込めて、「”みなさまが笑顔になる為に ”お客様と一緒にカタチにします」というキャッチフレーズを掲げています。私は5代目なのですが、建築業界にはまだまだ古い考え方が残っています。生き残りのためには、新しい考えを取り入れる必要があるという認識です。
【課題】具体的なイメージの沸くものが欲しかった
以前は企業様の建築案件がメインでしたが、リーマンショック後、一般のお客様相手の住宅関連で売上を上げることに力を入れ始めました。その中で、2次元の図面での打ち合わせだけだと、お客様と完成イメージのギャップがあることに気が付きました。以前使用していた3DCADから「ARCHITREND ZERO」に変え、それまでは用意してある素材しか使用できなかったのが実際のメーカー素材(壁紙など)のテクスチャデータをダウンロードし3DCGにマッピングできるようになりました。2次元だけの頃よりはお客様とイメージを共有できるようになりましたが、しかし、それでも広さの感覚はわからず、リアリティに欠けていました。実際にその空間を体験しないとわからないことがあるのです。そこで、自分たちのイメージとお客様のイメージを近づけるには疑似体験できるようなソフトが必要だと感じました。
【導入】使ってみてVRの強みを実感
「ARCHITREND VR」は、ARCHITREND ZEROの会社からの紹介で知りました。体験してみると、空間の広さがよくわかるし、部屋内を動き回ることができるので、モデルハウスに行ったような感覚が得られると感じました。ARCHITREND ZEROと連携ができることも決め手となり、導入を決めました。セットアップなどはメーカーの方にしていただき、使い方などは社員がメーカーの講習を受講。使っていくうちにわからないことが出てきても、電話サポートがあるので安心です。今回の導入にあたっては、IT導入補助金を活用しました。申請手続きはメーカー様のサポートを受けながら実施。さらに、導入後にVRの強みをアピールするために県の補助金を活用して、商工会のサポートも受けながらホームページをリニューアルしました。
【効果】顧客満足度アップによる受注拡大
VRを活用することにより、実寸大のバーチャル住宅を再現して丁寧に説明することができるようになりました。2次元の図面では想像しづらい完成イメージを体感していただけるようになり、お客様満足度向上による個人住宅の受注拡大を図る体制が整いました。VRのおかげで、効果的なプレゼンが可能となったのです。さらに、ホームページをリニューアルしたことにより、効果的な宣伝PRを行うこともできるようになりました。また、バーチャルで体験することにより、建物内の危険察知ができるようになりました。
【展望】施工管理アプリの導入で現場監督の負担を軽減したい
私は、便利なものにアンテナを張ることが重要だと思っています。田舎の中小企業は、考え方を変えないと淘汰されていくのではないでしょうか。意識改革が必須です。IT技術についていかないといけないのです。当社は今後、社内や協力会社との情報共有を強化していきたいと考えています。具体的には、施工管理アプリ「ANDPAD」の導入を考えています。これを活用すると、工程管理や工事情報を一元管理することで、現在現場監督の負担を減らすことができる見込みです。また、お客様にアカウントを付与することでお客様とチャットベースのやりとりも可能となり、顧客満足度向上にもつながります。ただし、このアプリを浸透させるには協力会社の協力が欠かせないでしょうね。
企業名 長谷川建設株式会社
HP:http://www.haseken.jp/
代表者 代表取締役 長谷川貴生
主な事業 総合建設業
総合建築・工場、住宅建築
従業員数 11名(技術系職員8名、事務系職員3名
設立日 昭和41年10月