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特集

中小企業でもマイクロソフトのオフィスでもAIが使えるようになった!〜Copilot Proが日本でも1月から有料版のサービス開始

  • 2024年4月11日
  • 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 村上知也
  • AI
  • Copilot
Copilot Pro

GoogleのAIを紹介し、前回はCanvaのAIを紹介しました。

そして、今回はMicrosoftのAIです。業務で日常的に使っているソフトはMicrosoft社の製品である事業者が多いと思われます。普段使うソフトの中でAIが力を発揮すれば、業務の効率化が劇的に進む可能性があります。

そこで、今回は、2024年1月に登場したCopilotProを使ってみた結果を報告します。

Copilot Proが2024年1月スタートしました

昨年9月末にMicrosoft CopilotがWindows11上で導入されました。そして、同11月には、大企業だけでしたが、Copilotがオフィスソフト(Microsoft365)内でも使えるようになりました。その際に以下の記事を書きました。

マイクロソフトのオフィスでもAIがどんどん使える!?
〜Copilotが日本でも11月サービス提供

そして、2024年に入って、ついに中小企業や個人事業主のユーザでも、マイクロソフトオフィス内で使えるAIとして「Copilot Pro」が有料のサービスとして提供されました。今回の記事では、このCopilot Proを利用して、どこまで何ができるようになったのかをご紹介します。
注)本稿で紹介する「Copilot Pro」は、Microsoft社が提供する有料サービスのため、利用には個別契約が必要となります。予めご了承ください。

まずはCopilot Proのページで紹介されているサービスの内容を確認

Copilot Proのページで紹介されていた内容を見ていきます。

Copilot Proでできること

まずは、高速化(GPT-4 および GPT-4 Turbo への優先アクセス)が可能になりました。また、DALL-E3 で AI 画像の作成ができます。つまり性能が上がってイラスト生成の精度も上がりました。

さらに、ワード、パワーポイント、アウトルックといったアプリとの連携が可能になりました。エクセルも連携はできるのですが、現時点では英語版でないと十分に連携していません。連携ができるアプリについて順番に見ていきましょう。

ワードでCopilotを使う

ワードを開くと、Copilotのプロンプトを入力する画面が最初から立ち上がります。早速文章の作成の指示を行ってみます。

今回は、送別会の案内文面の作成を以下の内容でお願いしてみます。
「3/15に営業2部の送別会を行います。居酒屋で開催予定ですが、その案内文面をそのまま印刷してA4で配布できる形式で記載してください。」

Copilotの活用~ワード

すると、案内文の書式が作られその中で文章が生成されました。タイトルが大きなサイズになっていたり、センターリングされていたりしています。また、日時などはリスト形式で表示されています。

単に文章を作るだけでなく、書式も考えて作ってくれるのは便利なものです。

パワーポイントでCopilotを使う

パワーポイントでは、文章で指示することである程度プレゼン資料の元を作ってくれます。

以下は、パワーポイントのCopilotに「虎ノ門でカフェを創業するのですが、創業のための事業計画書を10ページほど作成してください。」と依頼すると、以下のようなプレゼン資料が出力されました。

Copilotの活用~パワーポイント

目次の作成は指示していないのに、概要、販売戦略、市場戦略、財務計画、まとめと、創業計画書に必要な項目ごとにページができて、内容にあったイラストも提案してくれています。

なかなか便利な機能ですが、中身はもちろん自分で作らないといけないので、どれくらい楽になるかは操作者によって感じ方が異なりそうです。

アウトルック(Outlook)でCopilotを使う

次に、Outloookでメールの文章を作成してもらいましょう。DMを出す文面を考えてもらいました。

今回は、美容家電をエステ店に対して提案してアポを取ってもらう文面を考えてもらいました。丁寧な文章が出力されましたが、少し内容が不足しているように感じます。

より具体的な文章を生成するには、指示を出す人間側が、製品の概要などを具体的にAIに伝える必要がありそうです。

Copilotの活用~Outlook

ただ、アウトルックというメールソフトの中で、新規作成メールとして生成されるので、他の生成AIで作ってからコピーして貼り付けるよりは、ひと手間減り、少しだけ効率が上がりそうです。

エクセルでCopilotを使う

エクセルでCopilotProを使えるのは、現時点では英語版のみで、日本語での指示はできません。
エクセルでは、データの名寄せなどの整理や、関数やVBAプログラムを教えてもらうことができるようになる他、データの分析などもできるようになる予定です。

以前、ChatGPTに財務諸表の数字の分析を頼んでみると、分析をしてくれました。しかし、現時点のCopilotでは、英語版でも対象の表データの操作はできるものの、分析したり最適なグラフを作ったりといった便利な機能は装備されていませんでした。今後の日本語化とバージョンアップに期待したいと思います。

まとめ

昨年の秋に書いた記事では以下のような使い方ができれば、仕事の進め方が変わるのではないかと期待一杯の内容を書きました。以下のイメージです。

Microsoft365chatで社内の情報を横断的に探してまとめられる

今回利用してみた感想としては、各アプリの中で個別にAIが動いているだけといった印象です。

とは言え、進化の早い世界です。今後、さらに利便性が高まる可能性に期待したいと思います。

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